第106回
こつこつ株式分割、万科企業−華潤集団・番外編
華潤集団(チャイナリソーシズ)にまつわる
いろいろなお話をさせていただいてきましたが、
番外編として、
万科企業(200002)について触れたいと思います。
このB株で最も有名な銘柄の筆頭株主も華潤集団です。
万科企業が小売事業を切り離した際、
その買収に当たったのが華潤集団でもありました。
万科企業は、
おそらく中国の上場企業の中でも
3本の指は入るであろう不動産企業で、
業績もまったく文句のつけようのないくらい、
順調に伸びている会社です。
あまりにも有名なので、
改めて説明する必要もないぐらいかもしれません。
今年6月に発表された、
中国の投資家に
最も好まれる上場企業でも上位に入賞しています。
中国の投資家を対象にしているのですから、
当然A株だけを発行している企業なども対象になるのですが、
その中でも見事、上位に食い込んでいます。
このランキングトップ10の中で、
B株発行企業では唯一でした。
過去にもこまめに株式分割などを行なってきましたが、
2003年5月には1株を2株とする株式分割を行い、
さらに2004年には1株当たり合計で
0.5株の株式配当と分割を行なっています。
分割は行なえば行なうほどよい、
というものでもないのですが、
少なくともそれに見合う体力がないと
実施はできないわけで、
そうした点でも評価できます。
深センが事業の中心ですが、
この間、上海市のハイウエイをタクシーで走っている時、
「万科上海」という看板が目に付きました。
上海でも積極的に事業展開しているようです。
そのほか、北京はもちろん、
成都市などの中都市でも
今後、力を入れていくようです。
不動産市場は中国でも
バブルに対する警戒感はあり、
政府による引き締めなどの介入が
起こりやすい業界ですが、
同社は業績の優秀さを背景として、
むしろ、政府による引き締めで、
市場の浄化が行なわれることで、
恩恵を受ける企業でもあります。
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