第103回
AB VS SAB!ガチンコ勝負の背景には華潤ビール?

そもそもハルピンビールの買収に
最初に乗り出したのは、
アンハイザー・ブッシュ(AB)社ではなく、
やはり世界的な大手のSAB Miller社でした。
以前に紹介したようにSAB Miller社は
華潤ビールに出資、華潤ビールでは
「SAB」ブランドのビールを販売しています。

しかし、ハルピンビール側では、
SAB Miller社による買収には難色を示しました。
その原因は不明な部分が多いのですが、
ハルピンビールの本拠地である
黒龍江省ハルピン市政府も
SAB Miller社ではなく、
遅れて買収を提案したAB社に好感を寄せた、
という経緯があります。

SAB Miller社はもともとは
ハルピンビールの株主でしたが、
会社側からも、市政府からも全面買収に反対され、
やむを得ずハルピンビールからは
撤退することになったのです。

AB社は青島ビールに対しても
資本参加しています。
つまり、AB社とSAB Miller社の
ハルピンビールを巡る買収合戦は、
中国のビール市場の勢力分布を
一変させることになりました。

[買収前]
・SAB Miller社−(出資)→華潤ビール←(出資)−華潤集団
   |
 (出 資)
   ↓
 ハルピンビール

・AB社   −(出資)→青島ビール

[買収後]
・SAB Miller社−(出資)→華潤ビール←(出資)−華潤集団

・AB社   −(出資)→青島ビール
   |
 (買 収)
   ↓
 ハルピンビール


中国ビールメーカー第1位(青島ビール)と
第4位(ハルピンビール)を手中に収めたAB社、
第4位のメーカーから撤退して、
第2位(華潤ビール)のメーカーとの関係だけを
保つことになったSAB Miller社。
一説には、ハルピンビール側がSAB Miller社を拒絶したのは、
華潤ビールとの関係があったようです。
さらに言えば、
華潤集団に対して抵抗感があったかもしれません。
それはともかく、
ここで注目されるのは第2位の燕京ビールの動向です。

現在までに、燕京ビールは、
特に目立った外資との資本関係はありません。
中国でも有力なコングロマリットである
北京控股(0392)という
大株主が控えていることと無関係ではないでしょう。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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