第102回
ハルピンビール私有化に向けて暑い夏にはビール業界
先日、「バドワイザー」で有名な
アンハイザー・ブッシュ(AB)社が
ハルピンビール(0249)の持ち株比率を引き上げて、
82%としました。
そうした影響もあってか、
ハルピンビールは
レッドチップからは除外されました。
すでに圧倒的な筆頭株主で、
難関がないわけではないですが、
早ければ7月中にも私有化を実現、
それとともにハルピンビールの上場は
自動的に取り消されることになりそうです。
ハルピンビールは、
中国のビール業界においても、
最も古い歴史を持っているメーカーの一つです。
現在では、中国東北部の黒龍江省
ハルピン市を代表する企業でもあります。
「東北振興」プロジェクトが展開されて、
注目されている東北地域ですが、
何よりも、世界的に有名な企業を
誘致したいと考えている東北地域では、
AB社による、ハルピンビール私有化は
基本的に賛成されているようです。
ハルピンビールは
03年の中国ビールメーカーランキングでは
第4位につけています。
トップ3は
青島ビール、
華潤ビール、
燕京ビール
となっており、
この3社は中国ビールBig3とも言われています。
販売量を並べてみると、以下のようになります。
・青島ビール:326万キロリットル
・華潤ビール:254万キロリットル
・燕京ビール:223万キロリットル
これらに比べると、
第4位のハルピンビールは
117万キロリットルで、
かなり水をあけられていますが、
ここ最近は急速にシェアを拡大させてきていました。
中国のビール市場は激戦です。
最大手の青島ビールでさえ、
販売シェアは12−13%程度とされています。
中小の地場ビール企業が乱立、
いくら全国区の大手メーカーも
シェアを拡大できないのが現状です。
そのために、全国区の大手メーカーは
中小の地場ビール企業のM&A(合併・買収)を
積極的に進めています。
その過程で、青島ビールと華潤ビールが激突、
華潤ビールの底力に
青島ビールが慄いたのは
以前紹介した通りです。
これと同時に、大手ビール各社は
海外大手との提携を積極的に進めています。
ハルピンビールのAB社による私有化も
そうした背景のもとで行なわれているものです。
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