第97回
半導体は有望視されても華潤上華科技は上場撤回
華潤集団のハイテク部門としては、
華潤励致有限公司(リソーシズロジック、1193)が
頂点に立っています。
華潤励致は1994年の上場当時、
オフィス家具の製造と販売が主要事業でしたが、
2001年に事業内容を整理、
オフィス家具に加え親会社より
コンプレッサー事業と半導体事業を買い取り、
ITソリューションも加えた
四つの事業を展開するようになりました。
中国本土で行っている
家庭用エアコン用コンプレッサー事業は、
日本の三洋電機から技術提供を受けています。
最近では、半導体以外のIT関連事業を売却し、
半導体及びコンプレッサーに注力する姿勢を
明確に打ち出しています。
有力な傘下には
華潤微電子(控股)有限公司が控えており、
それら傘下の好業績にも支えられて
華潤励致自身も業容を拡大させています。
華潤励致の傘下にあたる
半導体ファウンドリー(受託生産会社)の
華潤上華科技有限公司のスピンオフ及び
香港上場は
早い段階で決定したもので、
一時は6月25日という上場日も決定しました。
しかし、相場環境の悪化に伴って、
公募価格などの形成に不満足な結果となって、
上場を白紙撤回したのが6月21日のことです。
2004年になって以降、
香港相場は理想的ではないですが、
それでもIPO(新規株式公開)は
順調に行なわれていました。
24日の平安保険(2318)が代表的です。
華潤上華科技の上場撤回は、
相場環境の悪化という要因では、
今年初めてのケースになりました。
半導体の市場自体、
世界経済の回復にも支えられていますが、
中国市場のポテンシャルの大きさから、
景気周期は当然あるものの、
2008年ぐらいまでは高度成長が
望めるといわれています。
事実、今年3月に上場を果たしたばかりの
中国最大のファウンドリーである
中芯国際集成電路製造有限公司(0981)は、
好景気を見越して、生産拡大に余念がありません。
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