第76回
拡張工事を急ぐ江蘇高速道路、中長期スパン見据えて
私が江蘇省南京市にいた頃(2000年まで)、
江蘇高速道路(0177)傘下の高速道路を
よく利用しましたが、
その時の感想としては、
「非常に空いている」というものでした。
上海市と南京市を往復するバスに乗ることが
多かったのですが、
当時、渋滞に巻き込まれたという
記憶がないことはもちろん、
対向車も含めて、ほとんど自動車が
走っていなかったような印象があります。
当時は、
自動車がまだまだそれほど
一般的ではなかったこと、
上海市と南京市を往復するバスが
高速道路を利用するだけに、
乗車時間は短いのですが、
その分、料金が割高になることからも分かるように、
高速道路の利用というものが
普遍的ではなかったことが
その根底にあるのでしょう。
しかし、
現在の江蘇高速道路では、
主要傘下の南京−上海路線の車線拡張工事を
急ピッチで進めています。
高速道路の交通量が増えたことが
その背景にあるのは当然ですが、
今後のニーズを見込んだ投資でもあるでしょう。
企業活動としては活発であり、
中長期という長いスパンで
経営を見据えていることがうかがえます。
江蘇高速道路には、
主な傘下として4社があります。
(括弧内は江蘇高速道路の
売り上げ全体に占める割合)
・滬寧高速道路(60%)
:上海−南京間の高速道路
・広靖錫澄高速道路(12%)
:江蘇省内の広陵、靖江、江陰、無錫を通る高速道路
・寧滬二級道路(8%)
:上海−南京間の有料道路
・寧連道路南京エリア(2%)
:南京−江蘇省連雲港市の有料道路
同社が発表した2003年12月期決算では、
売上高は前年比17.75%増、
最終利益は同17.71%増となっています。
−中国株高速道路銘柄主要6社の株価推移(2003年4月末終値=100、株価調整済み)− |
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