第58回
経済的な実力は上海凌ぐ広東省を背景に−駿威汽車(1)
中国株の自動車主要銘柄5社の株価の
2002年末終値をそれぞれ100とした時の
2004年4月21日終値までの推移で、
長安汽車(200625)に次いで上げ幅が大きくなったのが
駿威汽車(デンウェイキシャ、0203)です。
この銘柄は中国株の定番銘柄の一つといえます。
ホンダとも関係していることがあって、
日本の方にも馴染みやすいという
特徴があるようです。
本業自体は順調とはいえません。
最新の決算では、
営業利益ベースで赤字に転落しています。
ただし、この銘柄の強みは、
なんといっても傘下の広州汽車、
及び広州汽車とホンダとの合弁である
広州本田(広州ホンダ)です。
広州ホンダは、
フィットやアコードを生産・販売しており、
人気を博しています。
特に広州を中心とした地域では根強い人気があります。
広東省は、香港とも隣接し、
広州市のほか、深セン市なども有し、
さらに珠江デルタと呼ばれる地域を抱える一大経済体です。
経済的な実力では
上海などと拮抗しています。
珠江デルタ地域は上海を中心とした
長江デルタ地域とよく比較されますが、
台湾や香港資本の製造業に
強みがあるとされます。
中国は「世界の工場」などといわれますが、
珠江デルタ地域を有する広東省は
それを最も体現する地域です。
平均所得も、中国全土と比べれば非常に高く、
あまり知られていないことですが、
実は深セン市の1人当たり年収は
上海市よりも多いとされています。
広東省の人口だけでも9000万人ほどおり、
大きな市場を形成しているといえます。
中国で自動車といった場合、
中国全土としてみた場合、
上海や北京などで人気を集めている
米ゼネラル・モーターズ(GM)、
独フォルクスワーゲン(VW)が有名ですが、
広東省、特に広州ではなんといっても
広州ホンダです。
−中国株自動車銘柄主要5社の株価推移(2002年末終値=100)− |
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