| 第57回株価3倍の長安汽車の実態を探る
 中国株の自動車主要銘柄5社の株価を2002年末終値をそれぞれ100とした時の
 2004年4月21日終値までの推移をみてみると、
 上げ幅が最も大きくなったのは
 長安汽車(200625)で、
 2004年4月21日には約3倍となる
 287.32に達しています。
 そのほか、駿威汽車(デンウェイキシャ、0203)が
 286.79、
 華晨中国汽車(ブリリアンスチャイナ、1114)が
 227.11、
 江鈴汽車(200550)が
 162.36、
 慶鈴汽車(1122)が
 131.11
 となっています。
 この1年4カ月ほどの間で、
 それぞれ順調に推移しているといえます。
 長安汽車(200625)は、前身は中国兵器工業総公司の下部組織でした。
 軽乗用車・トラック生産能力は
 国内第1位で国内最大の小型車生産基地。
 主力車種のマイクロバスのほかにも、
 スズキ自動車との合弁会社である
 長安鈴木の「羚羊」「アルト」、
 米フォード社との合弁である
 長安福特(フォード)の
 「嘉年華(Fiesta:フィエスタ)」
 シリーズなどが好調です。
 現在は別のメーカーの台頭も著しいのですが、以前までは第一汽車、東風汽車、上海汽車の
 中国自動車BIG3に追随する
 四番手のメーカーと目されていました。
 中国市場におけるシェアは
 8%程度とされています。
 現在は深センB株を上場させていますが、グループの再編などを通じて
 香港への株式再上場を検討しているとも
 いわれていることは、
 以前にもお話したことがあります。
 03年の業績も好調です。新たな生産ラインが操業を開始したこともあって、
 生産能力が向上、
 中国自動車市場の拡大に伴い、
 売り上げも利益も伸ばしています。
 今後もフォード社との提携強化
 及び生産能力を拡張していく予定です。
 気がかりなのは、製品価格が急激に下落していることです。
 市場競争の激化のため、
 製品価格の引き下げを断行せざる得ない状況となっており、
 業績に与える影響が憂慮されます。
 
           
            | −中国株自動車銘柄主要5社の株価推移(2002年末終値=100)− |  
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