第55回
規模の拡大で中国網通のIPOに対抗したい中国電信

中国電信(チャイナテレコム、0728)の
親会社の資産買収は方針が示されたのみで、
まだ本決定の段階ではありません。
いろいろと
クリアしなければならないことも残されており、
実現したとしても
様々な問題を抱えることになります。

それでも、この買収が成功すれば、
単純計算で、
中国電信の電話回線数は
1億1800万から1億6100万に、
ブロードバンド(BB)加入者は
563万から723万になります。
ユーザー数が1億を超える、というのは、
現在までに中国最大の通信キャリアとなっている
中国移動(チャイナモバイル、0941)
とも競争できる体制となります。

そう考えると、
今回の中国電信による親会社の資産買収は、
直接的には中国網通(チャイナネットコム)の
IPO(新規株式公開)に
対応するためのものともいえます。

四大通信キャリアの
最後の一角である中国網通のIPOは
今年の香港市場の目玉の一つです。
中国電信にとっては、
強力なライバルになるわけです。

中国電信は2002年に上場していますが、
その時は市場環境との関係上、
注目度も相対的に高くならず、
予想を下回る株価しかつかなかったという
苦い経験があります。

一方の中国網通は、
現在のところ、
市場環境には恵まれています。
03年以降、IPOに対する期待は高まるばかりであり、
そうした中で、大型上場として注目を集めています。

規模としては、
通常は、中国電信の方が一回り大きいとされます。
中国網通は、02年の通信キャリア再編で
最も変動が激しかった企業で、
内部体制的にも不安要素はあります。

それでも、
今年のIPOの目玉の一つで、
注目度の高まっている中国網通に対抗するためには、
上場企業としての中国電信の業容拡大が必要であり、
ここでの新株発行は
一般論的に不利とみられる中で、
あえて、親会社の資産買収に踏み切ったというのが
真相なのかもしれません。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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