第45回
大幅な増収増益、株価は2香港ドル以下の低位株
以前、ある雑誌の企画で
「割安な中国株銘柄」
ということで取材を受けたことがあります。
その時は、「割安」ですので、
いろいろなとらえ方ができたと思いますが、
この企画では、私以外にもいろいろな人が
取材を受けるようでしたので、
PER(株価収益率)など、
通常の指標に基づくものでは、
ほかの人との差別化ができないと思い、
そのまま「低位株」、
つまり株価自体が安い銘柄を
ピックアップさせていただきました。
株価が安い上に、悪い話を聞かない、
あるいは有力銘柄を研究した際に
出てきた銘柄の一つが
北京北辰(0588)でした。
業績もそれほど悪くない、
前途としても大きなマイナス要素が
見当たらないにもかかわらず、
2香港ドルを切る株価でした。
その後、3月終わりから4月初めにかけて
北京に行ったときに、
たまたま北京北辰の事業の主力を担う
ショッピングセンター「北辰購物中心」の前を
通りかかったので、
より感慨深いものがありました。
改装が終わっていた「北辰購物中心」は
非常にきれいでした。
2004年3月1日に発表された同社の2003年本決算では、
売上高は前年比32.09%増、
純利益は同約2.2倍と大幅な増収増益を達成。
小売やホテル業などを手がける同社にとって、
新型肺炎SARSがまん延した2003年は
厳しい環境となりましたが、
そうした中での好業績は評価できると思います。
H株指数構成銘柄から除外されるなど、
ちょっとした悪材料もありましたが、
好決算を発表したにもかかわらず、
いまだ株価は2香港ドル程度で推移しています。
今回は、オリンピック関連事業の営業外収益などが
大幅な増益を支えた形で、
そうした意味では
経常的な収益モデルを築いたためとは
言いがたい面もありますが、
オリンピック関連事業に深く参画していることは
同社の大きなキャパシティを
示すものとなっています。
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