第42回
100億香港ドルの赤字、どうするハチソン3G
香港コングロマリット最大手で
長江(チョンコン)系の
和記黄埔(ハチソン・ワンポア、0013)が
2004年3月19日に
2003年の本決算を発表しました。
それによれば、売上高は39.46%増、
市場予測では減益とみられていた最終利益は
ほぼ横ばいの0.11%増となりました。
1株当たり利益(EPS)は3.37香港ドル。
これを元に計算すると、
PER(株価収益率)は
3月25日時点で16倍程度となっています。
当初は減益と見られていたのは
やはり世界展開している
第3世代(3G)携帯電話事業によるところが大きいようです。
この決算でも3G事業の純損失は
96.68億香港ドルに達しました。
ハチソンの最終利益は概算で150億香港ドル、
これと比べると、
いかに3Gが足を引っ張っているかがわかります。
香港で3Gサービスをスタートさせ、
長江グループの李嘉誠(リ・カシン)総帥自身が
3Gに入れ込んでいると伝えられており、
ハチソンとしては、
3G事業の先行きは明るいとの見方を変えていません。
今後も事業を拡大していく方針を示すとともに、
04年も赤字幅は拡大すると見込んでいます。
そうした中でNTTドコモに
提携関係見直しを迫られたわけです。
香港の3G事業も現在は
長江グループのみが展開していますが、
まったくの独占というわけではなく、
例えば数碼通(スマートーン、0315)も
3Gの営業許可書を持っており、
サービス開始のタイミングをうかがっています。
さらに「ハチソンの3G展開は時期尚早」
などと批判もしており、
敵意も十分です。
スマートーンもドコモと提携しています。
ドコモがスマートーンを通じて
香港で「iモード」などを展開するようになれば、
ハチソンにとっては脅威となります。
|