第41回
英国でも「iモード」を展開できる環境求めるドコモ
和記黄埔(ハチソン・ワンポア、0013)は、
李嘉誠(リ・カシン)氏が率いる
長江(チョンコン)グループで、
主にグループの不動産事業を担う長江実業(0001)と並ぶ
旗艦コングロマリットです。
李嘉誠(リ・カシン)氏が関連する香港上場企業は
ざっと計算しただけでも10社近くあり、
その中でも、香港市場のハンセン指数
(有力33銘柄から算出)の構成銘柄のうち、
長江実業やハチソンを含めて5社が長江グループです。
ハチソンなど長江グループの動きは
香港市場の相場に多かれ少なかれ
影響を与えることになりますので、
チェックしておきたいところです。
NTTドコモが、
ハチソンとの提携関係を見直す動きについて、
実は以前から、
香港メディアなどでは
その可能性が指摘されていました。
問題点としては、2点挙げられます。
1.イギリスでの「iモード」展開に
ハチソン側が難色を示していること
2.香港で始まったばかりでの3Gでも
両者の思惑にずれが生じていること
ドコモにしてみれば、
ヨーロッパでも大々的に展開していきたく、
実際に主要国では展開している「iモード」を、
ハチソンとの合弁で
3G事業を展開しているイギリスだけで
展開できていない苛立ちがあったのでしょう。
香港メディアの報道によれば、
ドコモはイギリスにおいて、
ハチソンとの関係を解消して、
英国現地の弱小通信キャリアと
提携するのではないかといわれています。
自身のイニシアティブに基づいて、
英国でも「iモード」を
展開できる環境作りがしたいのでしょう。
以上のような、
ドコモの独自路線は、
ハチソンにとっては
大きな痛手になることも予想されます。
英国において、有力なパートナーが
一転して強力な競合になってしまうことを意味するのと同時に、
まだまだ危うさを残す香港3Gの先行きに対しても、
ドコモが離れてしまうことによる
不透明感を増してしまう可能性もあります。
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