| 第29回B株有力銘柄・万科企業から見る香港再上場への動き
 B株全体としてみると、主に中国本土市場全体の問題でもあるのですが、
 政策が不透明で、
 なかなか先が読めない不安があります。
 ただし、株取引は将来を売買するものですので、先が読めないリスクがあるというのは、
 むしろ買い時なのかもしれません。
 特にB株の優良銘柄は期待できるといえるでしょう。
 そうした中で、B株の代表格である万科企業(200002)が香港再上場を含めて、
 いろいろ面白い動きをしています。
 万科企業は中国不動産上場企業ランキングでトップの会社です。
 住宅開発が主力で、
 1996年に中国政府系の華潤集団の傘下に入り、
 香港、上海、北京、深センなどで
 広大な開発用地を保有、
 10都市に拠点を有しています。
 もともとの収益力、不動産業の好調、そして有力グループを後ろ盾としている
 という強みがあります。
 以前紹介したように、
 03年には株式分割で
 100%ボーナスも実施しています。
 2004年3月9日、万科企業は2003年の本決算発表を行いました。
 それによれば、売上高は約63億8000万元、
 前年と比べて、実に40%近くの成長となっています。
 最終利益は約5億4200万元、前年比でやはり40%を超える増加を示しています。
 3月11日現在でB株PERも20倍程度です。
 今回も現金配当と株式配当を実施する予定です。
 2003年6月に、不動産投資過熱を抑制する規制が実施されました。
 多くの不動産企業にとっては、
 資金源の確保が課題になったのですが、
 万科企業は自己保有資金が豊富だったため、
 むしろこの規制が市場の浄化につながったとして、
 自身の増収増益につなげています。
 特に海外でバブル懸念が根強い中国の不動産業ですが、
 万科企業は堅実に事業展開している企業といえます。
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