| 第18回減益からの復活、上海振華港口機械にみる「勇気と辛抱」
 上海振華港口機械は優良銘柄であるだけに、大盤振る舞いの配当案を出すこと自体、
 珍しいことではありません。
 順調に業績を上げていれば、
 しっかりとした配当を出す、
 というのは中国株の場合、
 当然といえば当然です。
 なぜ当然かといえば、いろいろな問題とも絡んできて
 一概には言えないのですが、
 一つの側面として、
 中国企業の信用度と関係があると見ています。
 中国企業は総じて「国際的に通用したい」
 という願望を持っており、
 そのための手っ取り早い方法として、
 株主を優遇する(少なくともそのポーズを示す)
 ことが考えられます。
 しっかりとした配当を行うことは、株主への利益還元を実践しているとして、
 多くの投資家を容易にひきつけることが
 可能となります。
 おそらく、多くの中国株企業が
 配当をしっかり行う背景には、
 こうしたことも考えられると思います。
 株主の側に立てば、
 中国株投資の魅力の一つが
 配当ということにもなります。
 それはともかくとして、上海振華港口機械は
 1年前の2002年の本決算で
 30%近くの大幅減益を発表していました。
 これは、同社ばかりでなく、
 上海B株全体に激震が走ったと私は見ています。
 03年の上海B株は全く振るわなかったのですが、
 上海振華港口機械の02年減益が
 尾を引いたといえます。
 減益発表をすれば、当然、株価も下がるわけです。
 この時点で買っていれば、
 あるいはこの株価下落も我慢して
 辛抱強く持っていたら、
 今回の配当案が発表されてから
 あわてて買う必要もなく、
 むしろ最大限にそのうまみを
 味わうことができたはずです。
 「勇気と辛抱」、どのような投資でも絶対に必要なものですが、
 中国株の場合、その見返りが非常に大きい場合がある、
 ということを今回の上海振華港口機械は
 示しているといえます。
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