| 第19回B株からH株に転向? 可能かどうか含めて豊富な示唆
 B株の優良銘柄の一つであり、A株も同時に発行している重慶長安汽車(200625)が
 香港市場への株式上場計画を打ち出しました。
 これは前例のないことであり、いろいろな意味で豊富な示唆を与えてくれるものです。
 まず、中国企業が香港市場に上場する場合、通常はH株と呼ばれますが、
 B株とH株を同時に発行している企業はありません。
 A株とB株、A株とH株という組み合わせはあるのですが、
 B株とH株は現在のところまで
 同一の機能を果たしている
 (外貨獲得のための株式)ため、
 両者の同時発行ということが今までなかったのです。
 これは制度的な側面といえます。 もう一つは、なぜ重慶長安汽車が
 香港に上場すると言い出したのか、
 重慶長安汽車側の言い分という側面があります。
 制度的な側面をいいますと、重慶長安汽車はB株のH株への転向、
 あるいはA株とB株をまとめて再編してH株として、
 香港に上場するなどを検討しているようです。
 前例がないことですので、現在の中国の制度や法律上、
 これが可能かどうかはまだ不透明です。
 つまり、当局の認可を得るかどうかは分かりません。
 私がみたところによると、これが認められるかどうかは微妙なところです。
 後述することになりますが、
 これを認めてしまうと、
 多くのB株銘柄がH株への転向に走ってしまう
 可能性があるからです。
 ただ逆に言えば、B株の取り扱いに悩む中国政府は、
 これを機にB株とH株の統合も視野に入れた
 解釈(制度や法律の変更)を行う、
 という可能性も全くゼロではないと思います。
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