| 第11回「改革しやすい」保険、平安保険のIPOは?
 昨年の中国人民財産保険(2328)、中国人寿保険(2628)の
 新規株式公開(IPO)について触れた際、
 多くのご意見が寄せられました。
 「平安保険のIPOはどうなっていますか?業績はどうですか?」と。
 多くのメールをいただきながら、一つ一つにご返信できずに大変申し訳ございません。
 今回から少し、「平安保険」について
 お話させていただきます。
 まず、簡単に中国の保険業界について触れておきます。 原則的に、金融というのは市場経済下でしか発展しません。
 中国が競争原理を取り入れたのが1978年。
 それ以前にも金融機関は存在しましたが、
 私たちが考えるようなものというよりは、
 国の統制に基づく、出先機関的な意味合いが強いものでした。
 1978年に故・ケ小平氏が「改革開放」を打ち出し、競争原理が取り入れられるようになってから
 現在までに20年以上、最も問題となっているのが、
 「金融機関が競争原理の市場経済に適応できていない」
 という現実です。
 その中でも銀行金融が深刻です。「改革開放」以前までも強固な根を張った機関として
 確立されていただけに、
 現在の急激な変化に対応できていません。
 そのため、先にも触れましたように、
 国有四大銀行の株式上場を中心とした改革に
 力が入れられています。
 一方、保険ですが、そもそも「改革開放」以前に、
 中国において「保険」という概念は、
 全くなかったわけではないですが、ほとんど皆無でした。
 現在から見れば、これが功を奏しています。
 銀行と比べて、中国の保険会社は「身軽」なわけです。
 当然、現在の中国の金融改革の重要な一環として、「保険」も組み込まれています。
 ただ、以上のような理由で、
 銀行と比べて保険は、
 「改革しやすい分野」ではあったのです。
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