第12回
保険市場は「保障は国から」意識の変革が必要

中国の金融分野においても
「改革しやすい分野」であった保険、
それを示しているのが、
2003年11月と12月に実現した
中国の二大保険会社の新規株式公開(IPO)です。

国有四大銀行の一つである中国建設銀行が
2004年末までに株式上場できるかどうかと比べると、
1年早くIPOを実現できたところに、
ある意味、中国の保険会社の健全性を
見て取ることができます。

しかし、逆に言うと、
「中国の保険会社は規模が小さい」
ともいえなくもありません。
なぜならば、「背負っているものが大きい」ことが
改革を難しくしていますので、
これを単純に考えれば、
中国の銀行は規模が大きく、
保険は規模が小さい、
ということになります。

これは、そのまま市場の規模にも
あてはめることができます。
中国の保険会社の共通のリスクとして
抑えておきたいところです。

なぜ中国の保険市場は小さいのでしょう?

それは、「保険」という概念が中国では
まだまだ浸透していないためです。
多くの中国の方も「保障といえば国から」
という考え方が一般的で、
「保険会社に頼る」という発想は
まだまだ普及していません。

1978年以前は
ほとんどその概念すらなかったのですから
ある意味やむをえません。
ただし、これは「国」にしても厄介なことです。
慢性的な財政赤字が続く中、
政府としては社会保障という分野は頭痛の種なのです。

国がすべての面倒を見る社会主義体制の名残ともいえます。
ただし、市場経済が浸透していく中で、
こうした「昔の負の遺産」をいつまでも残しておけません。
中国政府としても、
国民の保険に対する意識の向上は
必須のものとなっています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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