第10回
躍動するペトロチャイナ、BP社放出も短期的影響
今年1月終わりから2月初めにかけて、
中国の胡錦涛・国家主席は
フランスやアフリカ諸国を歴訪しました。
この国家元首歴訪というイベントにあわせて、
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)では
エジプト、アルジェリアの両国と
石油探査や開発、精製工場建設などで
協力していくことに合意しています。
中国国内でも石油の採掘は行われていますが、
それだけでは国内ニーズを満たすことはできず、
すでに石油の輸入大国となっている中国。
国策としても石油輸入ルートの構築や
国内における石油備蓄整備を進めています。
そうした中で、その実行部隊が中国石油天然気です。
今回のアフリカ2ヵ国との協力以外に、
中国石油天然気では北アフリカのスーダン、
南米のベネズエラ、中東のイラン・イラク地域との
石油開発協力を積極的に進めています。
中国国内では、ニーズが拡大していることもあって、
石油製品の価格が上昇傾向を示しています。
これは中国石油天然気にとっては業績にプラスです。
2003年12月本決算が3−4月にも発表されると思いますが、
増収増益が期待されています。
2月12日時点の終値は3.975香港ドル。
これはほかのH株と比べても比較的低い水準です。
1月半ば、中国石油天然気のパートナーでもあり、
株主でもあった英BP(ブリティッシュ・ペトロリウム)社が
中国石油天然気の株式、実に35億株を売却しました。
これは総発行株式数の2%程度にしか相当しませんが、
130億香港ドルという巨大なお金が動きました。
これによって中国石油天然気の株価は大きく下げました。
ただし、専門家の間でもBP社の株式放出の影響は
短期的とされています。
2月12日現在、ようやく下げ止まりをみせて、
株価は再び上昇体制を整えているところです。
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