プロが教えます!公認会計士
山田淳一郎さんのトクする税金の話

第18回
「みなし取得費」を日経平均株価にあてはめると

平成13年9月30日以前に取得した上場株式等を、
平成22年までに売却する場合には、
「みなし取得費(平成13年10月1日のその銘柄の終値×80%)」
を使って売却損益を計算し確定申告することができます。
「みなし取得費」は個々の銘柄ごとに決まっているわけで、
証券会社に確認すれば教えてもらえます。

■平成13年10月1日の日経平均株価は?
平成13年10月1日の頃を覚えていらっしゃいますか?
当時はニューヨークの同時多発テロの20日後で
世界中が驚きと悲しみの中にありました。
株価も下がり、平成13年10月1日の
日経平均株価は9,972円28銭でした。
ということは、
仮に「日経平均株価のみなし取得費」を算出するならば、
約8,000円(9,972円28銭×80%)となります。

■日経平均株価の推移からみると
実際の取得価額がわかっている時には、
「みなし取得費」と比較していずれか高い方を
「取得費」とするのが賢い方法です。

過去の日経平均株価の推移から、
「みなし取得費(約8,000円)」は、
いつ頃の水準に該当するのかを調べてみました
(過去において、日経平均に組み入れる銘柄について
入れ替えが行われていますので正確な比較にはなりませんが)。

日経平均株価はおおむね右肩上がりで推移し、
1982年(昭和57年)に日経平均株価は8,000円を超えました。
その後1989年(平成元年)12月29日に
終値最高値38,915円87銭を付けたことはご存知のところです。

日経平均株価のトレンドからみると、
昭和57年以前に購入している株式は
「みなし取得費」の方が高く、
昭和57年以後に購入している株式は
「実際の取得価額」の方が高そうだということがわかります。
もちろん、個々の銘柄では
日経平均株価と異なった株価推移のものも多いので、
銘柄ごとの確認が必要です。

執筆:TFPコンサルティンググループ(株)税理士 布施麻記子
監修:公認会計士 山田淳一郎


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