労働資源の未開発国は世界中にまだまだある

日本の労賃にしても、台湾、韓国などのNIEsの国々を除けば、アジアの他の地域の十倍あるいはそれ以上にもなり、なおかつ完全に売り手市場になっているから、外国人労働者がそうしたスキマをうかがわないわけがない。日本は外国人の移民に対してはきびしく扉を閉ざし、労働者の出稼ぎに対しても、厳重な制限をしているが、法のスキマをくぐって何十万人という外国人労働者が日本にもぐりこんでいる。その中には、売春婦として出稼ぎにきている者もあれば、土木工事の現場で働いている者もある。就学生として日本語学校に入学し、学校には行かずにせっせとアルバイトに励んでいる者もあれば、研修生と称して日本の工場の下働きをやらされている者もある。最近ではべトナム難民に化けて、この世の天国へ目がけて押しかけてくるボート・ピープルが「海上の道」に次から次へとくり出している。
入国管理局では、滞在期間をすぎても国外に退去しない不法滞在者の検挙にやっきとなっているが、賃金差が十倍もあれば、ありとあらゆる手段を講じて、日本にとどまりたいという外国人労働者は後を絶たないだろう。今後、そういう人間が一○○万人をこえるようになるだろうことはすでに目にみえている。取締官をいくらふやしても、日本の賃金が周辺諸国に比べて圧倒的に高い以上、闖入してくる労働力の流れを防ぎきることはとてもできそうにない。それをあくまでも非合法として取り締るのか、それとも何らかのルールを決めて、外国人労働者を受け入れるのか、日本の当局がいずれ決断を迫られる問題であろう。追い出しても、追い出しても、次から次へと押しかけてくるのが低賃金国からの労働者の流入である。扉を閉じただけでは片づかないことだけは確かである。
外国人労働者が何百万人も日本へ押しかけてくるようになれば、労働者のあいだにも人種別、国別の差別が必ず生ずる。労賃にもそうした差別を反映した格差ができる。

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