中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第83回
お金がかかって大変。

第一篇の始計篇では
勝算の無い戦いはしない、
その戦いに勝算があるのか無いのかを知る方法、
そして戦うとなれば絶対に勝たなければならないと
述べていました。

「孫子の兵法書」第2篇の作戦篇では
戦争とはどういう事なのか、
その為にはどうしなければならないかという事を述べています。

さて戦争とはどういった事なのでしょう。

この作戦篇で孫武が言っている事を
簡単にまとめると、
戦争とは「すごいお金がかかって大変!!
だからさっさと終わらしてしまいましょう。」と言っています。

戦争をするとなると国内外の経費、外交費用、
軍事物資の補充費用、食料の補給費用などなど
莫大なお金が必要となり、その戦争を長期化する事は
もちろん兵力も消耗するし、兵の士気も下がってしまいます。
だから戦争はすぐに終わらせと言っているのです。
その事がよく分かるのが以下の箇所

兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを睹ざるなり。

戦争において、戦果が不十分な勝利であっても
短期間に戦争を終結に導けば利があるとは聞くが
長期戦に持ち込み敵国と徹底的に戦って
勝利する事で利があるとは今までに見たことがない。

以上のように孫武は言っています。
完璧な勝ちでなくてもいいんです。後々のことを
考えて、ホドホドの勝ちで戦争を
早急に終わらせることがいいんです。
戦争はいくら短期で決着をつけても
やはり民の生活に影響を及ぼします。
食料の問題、人手の問題、その他にも
戦争は物価の上昇を招き、
そのために民の蓄えもなくなり
税金負担も重くなります。
だから民の事、国の事を考えると戦争は絶対に
短期で決着をつけなければならないのです。

戦争により民の所得の70%が軍事費に持っていかれ
国家財政の60%が戦争の損失に当てる金として
消えていくとハッキリと数字も記してあります。

これらの不利益を少しでも減らすにはどうすれば
いいのか、そのことについても作戦篇にて述べています。


←前回記事へ

2006年10月24日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ