中国民俗研究家・上田尾一憲が語る、中国民俗の魅力

第9回
「種」が重要!?

子宝、子宝、子宝・・・。
子宝に恵まれるには何が必要でしょうか。
もちろんお父さん、お母さんの頑張りも必要ですが、
げんを担ぐことも重要だと思います。
事実中国、日本その他のどこの国にも
子宝に関するげん担ぎグッズというものがあります。
例えば、
飛騨高山のお土産で有名な「さるぼぼ」なんかも
子宝グッズの一つですし、
(特にオレンジ色のさるぼぼは効果があるらしい)
子宝草という植物もあります。
葉っぱの周りに子供みたいな、
小さな丸いものがついているので
この名前がついたそうです。

子宝に関する物は他にもたくさんありますが
昔から中国で子宝に恵まれる縁起のいいものといえば、
なんと言ったって「石榴」です。
中国語でも日本語でもこの漢字なのですが
「石榴」何と読むかわかりますか?

答えは「ザクロ」です。
では、
「ザクロ」がなぜ子宝に関するものなのでしょうか?
それは「種」が多いということです。
やはり、子供を産むには「種」がないとダメですから
できるだけ沢山の「種」に恵まれるように、
そして子宝に恵まれるようにと
中国では結婚のお祝いに贈られたり、
家具や小物に
「ザクロ」の彫刻を施したものが多いのです。
風水ではザクロを
南の方に置いておくと女の子を授かり
北の方に置いておくと男の子を授かる
とされていますので
ザクロの彫刻のある家具をそれらの方角に
飾っておけば効果があるかもしれません。


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