第12回
小さな村の春
農民画家の色の選択は
何ら科学理論に基づく事もなく、
伝統的な民間芸術品や
画家自身の感情などをもとに
色の組み合わせを考えて表現しています。
単純に見える農民画の色の中には
画家自身の色々な体験や、
今まで目にした事が、
自分独自の色となって
農民画に現れてくるのです。
なかなかうまく説明できませんが、
画家の中ではあの時のあの場面は
全体的に緑色のような感じだった
というイメージがあると緑色という色を使うのです。
実際にその場面では
緑色は何処にもなかったとしても、
画家の頭の中では、もう緑なんです。
だから同じ物を画いても
画家によって色が違ってくるのは当然の事なんです。
そして、そのイメージの色をもとに
他の色もそれにきちんと合うような色に
塗られていくのです。
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盛璞 「小さな村の春」
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今日の画は金山農民画家
盛璞さんの「小さな村の春」です。
この画は春、夏、秋、冬、と
4枚セットになっており、
春は桜、夏はスイカ、秋は枯れ木、冬は雪と
漁村をバックに季節の移り変わりを農民画で
きれいに表しているのです。
今回は春バージョンだけの紹介ですが、
夏、秋、冬バージョンが見たい方は
北京の種字林まで遊びに来てください。
今はすべて売れきれてしまっていますが、
盛璞さんに頼んで画いてもらいます。
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