あなたの一枚に出会って下さい

第11回
囲碁

前回お話した農民画の
原画作りの話の続きです

画の原画を模写をすると言っても
まったく同じ様に模写をする必要もないので
自分で考えた原画をもとに模写していく上で
新しいアイデアが出てくれば、
すぐにそれを取り入れて、
以前画いた画よりも
良い画が生まれる事もあるのです。

色見本の原画もありますが
それも同じで
その日の気分で塗る色を変えたりする事もあります。

なので以前画いた風景は青色だったけど
今回は緑色になっていたり、
以前は男の子を画いていたのに
今回は女の子になっていたりと、
故意か無意識かはわからないですが、
同じ画でも間違い探しのように
色々と違ったところを発見することができます。
「あっ!こっちの画では右手挙げてるのに
 こっちの画では左手挙げてるっ!!」という感じです。

さらに上級者クラスになると
小さな画だと画板に紙を4枚くらい貼り付けて
同じ画を一気に4枚画いてしまう画家もいます。
しかしそうなると、少し気が抜けてしまうのか、
画きもれも時々あります。
「あっ!!女の子がいない!」なんて事もあるそうです。
一枚一枚丁寧に描いてもらいたいものですね。

趙龍観 「囲碁」

趙龍観 「囲碁」

今日はこの2枚の画を見てください。
この画は趙龍観さんの「囲碁」という画です。
どんよりとした小雨の降る中、池のある公園で
囲碁を打ったり、魚に餌をあげたり、
愛を語ったり?しています。
しかし、あれれ?ちょっと違いますね。

何処がちがいますか?そうです!
左の橋の上にいる人です!
一枚はなんとこっちを見ています!!


別にこれが悪いと言っているわけではなく、
これがまた農民画のいい所ではないでしょうか。
でもなぜこっちを見ているのでしょう?
ちょっと気になります。

他にも違うところがないでしょうか?
ぜひ、探して見てください。


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