第5回
薬草摘みの少女
農民画は切絵や刺繍
そして年画などの民間芸術から
誕生したと言われています。
切絵や刺繍ならわかりますけど
年画ってなに?と思われる人がいると思うので
年画について説明します。
年画とは中国で新年(春節)を迎える時に
家の門や玄関の両脇等に
「今年一年、豊作でありますように
幸福でありますように、お金が入ってきますように」
と願って貼る色鮮やかな版画のことで、
その起源は「門神」といって
門の両脇を守る
一対の神様の絵であるといわれています。
その起源は、
はるか漢の時代までさかのぼると言われています。
それが今ではこの写真のように変わってきたのです。
日本でも時々中華料理屋さんに行くと
貼ってあるのがそれです。
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年賀
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1966年より始まった文化大革命に
このような迷信性のある年画等は否定されたので、
年画に変わって文化大革命の最中でも
さしつかえのないような画、
例えば一所懸命働く農民や
労働者が画かれるようになりました。
そしてそれが時代が経つにつれて
色々な影響を受け変化し続け
現在のような
かわいらしい農民画になったという説もあります。
農民画の表現するものも自由になり、
極左的な思想にしばられずに
自分の好きな物が画ける時代になったのです。
その当時の農民画と今の農民画を比べると
やはり感じが違います。
今回の画は今までの農民画と
違った匂いを感じさせる画を選ばせて頂きました。
この画は70年代に曹秀文さんによって画かれた画で
「薬草摘みの少女」という題です。
農民画の歴史の流れを少しだけ
感じる事ができると思います。
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曹秀文 「薬草摘みの少女」
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胸には模範的労働者という意味の
バッチがつけられています。
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