第725回
ある母親の脳梗塞
胃子「私の友達のお母さんが脳梗塞を起こしたのです。
それが最初は友人もわからず、
連れていった先の医師も
最初はよくわからなかったようです。
足がもつれるというので、病院に行きました。
そしてCTを撮ったのですが、
その時点でははっきりしたことは分からず、
点滴をして帰りました。
帰る時、足がふらつき、危なっかしかったのです。
それで車いすに乗せ、お母さんに
手を上げてごらんと言ったら、手をあげれたので、
大丈夫かなと思っていました。
そして家に帰りついて寝室にたどりついたら
手の動きが悪くなり、これは大変ということで、
また病院につれていきました。
そこで点滴などをしましたが、
次第に悪化して片麻痺になったというのです。」
木先生「それは寝室が良くないのです。
寝ている部屋にテレビとかラジオ、電話、
冬に電気毛布、時計など
たくさんのものがあると思うのです。
そういう状態があると心臓に血栓ができてきて、
それが血流にのって脳に運ばれていき脳梗塞になるのです。
急に脳梗塞になったように思われますが、
もう何年も前からそうなるようになっていたのです。
きっと私が言ったようなことが寝室にあるはずだし、
今のままではもう一度脳梗塞が起きますよ。」
胃子「そうですか。
普段から寝室にはものを置かないように
友達にはお話ししていたのです。
今度会ったら聞いてみましょう。」
数日後、胃子が来て次のような話をしていました。
胃子「まったく先生のおっしゃる通りの状態で
生活していたのです。
冬は電気毛布、寝室の天井の蛍光灯を消すのに
寒いからとリモコンで消すようにしているし、
テレビ、電話の子機、携帯電話、時計、タンス、
マッサージ器、加湿器、などなどものが一杯あったそうです。
友人がそれはいけないよ、全部撤去した方がいいよ
といったそうですが、言うことを聞かないそうです。
先が短いのにそんなことして楽しみを奪うつもりか、
というのだそうです。」
木先生「先が短いと勝手に決めていますが、
そう簡単に死なないものです。
もう一度あるいは三度と脳梗塞を繰り返す危険があるのです。
脳梗塞を起こした条件というのは
何一つ改善されていないのですから、
何度でも起る可能性があるのです。」
胃子「友人も言っていました。
お母さんの主治医ももう一度起こる可能性がある、と。
これはどうしたらいいのでしょうか。」
木先生「もう一度脳梗塞を起こしたくなかったら、
私の言っているようにするほうが、
リスクは極端に少なくなるのですが・・・。
なかなか信用してもらえませんね。
ハっと気付くのも脳なのです。」
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