第708回
病気が透けて見える
何でも興味がある胃子が聞いてきました。
胃子「中国の司馬遷という昔の歴史家が書いた史記という本に、
扁鵲(へんじゃく)倉公列伝というのがあり、
その中で長桑君が扁鵲に秘薬を渡して、
草木の露で三十日間服用すると
どんなものでも見えるようになるといいました。
その通り扁鵲が服用すると、
塀の向こうにいる人の姿が透けて見えるようになり、
病人を見ると
内臓の腫れ物がはっきり見えるようになったというのは、
本当でしょうか?」
木先生「それは可能性があると思います。
私も最初にそれを読んだ時は、
まさかそんなことあるわけないと思いました。
しかし、サバン症候群の人達の脳を調べてみると、
常人とはまったく違い、
記憶力では桁外れの能力を持っているのです。
たまたま、それが記憶する場所で起こっているわけですから、
それが視覚中枢で起こったら、非常に可能性があるのです。
普通の人が見えている状態を一としたら、
その百倍も千倍も視覚中枢が働いていたら、
そのように透けて見える可能性が多いにあると思います。
そして、その視覚中枢をとてつもなく働かせるような
秘薬というものがあるような気がするのです。
ハーブのオレガノはある人にとっては、
脳神経細胞を飛躍的に増やします。
それに類いする漢方薬というのは、あると思うのです。」
胃子「透けて見えるという時には
どういう状態になっているのでしょう。」
木先生「漢方薬で、
視覚中枢の神経細胞が飛躍的に増えていきます。
それで、物や人を見る時、
視覚中枢のアセチルコリンが次第に上昇していき、
それとともに、その神経細胞が
エネルギーとして使用するブドウ糖が
またどんどん増加していくのです。
そういうことが起こってくると
次第次第に今まで見えなかったものが、
見えてくるというようになるらしいのです。」
胃子「扁鵲は透けて見えるということは、誰にも言わず、
その頃も今も行っている脈をみてわかるのだといってますが、
脈を見るというのは難しいのですか?」
木先生「脈を診るというのは、
本当にできる人というのはあまりいないと思います。
そういう難しさのために、漢方が未だに主流になれないのです。
扁鵲のような方は別格として、
診察方法に技術革新が必要なようですね。」
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