第684回
ある重大な罪を犯した人の脳はどうなっている?
人の行動は脳が決めます。
色々な人を調べていると、
その人の行動と脳の働きとは一致するようになっています。
あることが出来て、或る事が出来ないという時、
そのできないという部分に相当する脳の働きが低下しているか、
そこの部分にダメージが残っている、
しかもそれが生まれる時、
あるいはお母さんのお腹にいる時にできた
脳のダメージだったりすることがあるのです。
100人いれば99人以上はそのようなダメージを抱えていますので、
そのこと自体は誰の責任でもないのです。
そしてダメージを受ける部位とその軽重は皆違います。
しかしその後の対応が非常に重要なのです。
ダメージを受けた脳を治療しておくということが大切なのです。
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図1
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図1、図2はある罪を犯した人の脳をマッピングしたものです。
ピンク色が脳梗塞の起こしている所、
赤い色は出産前後に起こった
脳の低酸素によるダメージを起こしている所、
青い色の部分は生まれる時の脳挫傷の反応です。
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図2
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図2のAの部分は前頭葉眼窩回です。
この部分の働きが極端にダメージを受けています。
ここの働きが低下すると傍若無人になり、
相手を無視する行動をしたり、非常に怒りっぽくなります。
B、Cは側頭葉です。
ここも非常に働きが低下しています。
感情のこまやかさ、相手を思いやる心など、
感情的な豊かさがここの働きと関係しているのです。
ここの働きが悪い人は
そういう情緒的な事が欠落する傾向があります。
図2のDの部分は前頭葉前野です。
ここは車で言えばブレーキの役目をする所です。
ここの働きも非常に低下しているのですから、
あることをしようとすると、
それが良くない事であっても歯止めが利かなくなります。
Eの部分は帯状回です。
ここの部分の働きが低下すると、
こだわりとか、或るものにとらわれる、
考えが非常に狭くなります。
儀式的な事をわかっていてもするという行動をとります。
ある考えから離れられない、根に持つということがあります。
これらの結果から
重大な罪を犯す準備が整っている状態があるのです。
こういう脳の人はそんなに多くはないのです。
そして、歳とともに受ける脳のダメージが加わると、
ついに行動に移るということになるのです。
こういう脳の状態でも治療することで良くなっていくのです。
何年も社会から隔離しておけばいい
という問題だけではないと思います。
そのような行動する脳を治療することも大事なのです。
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