医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第655回
思い出すと涙ぐむ、心が凍りつく

いじめに合ったり、捨てられたり、ショックな事が起きたりと
様々な事が生きていると起こります。
そして心の中では消し去りたいと思うこと、
自然に目を塞いでしまいたい、
聞きたくないと思う事などがあります。
どうしても無意識のうちに、見たくない、聞きたくない、
言いたくないと思う時、心には傷跡が残ります。
その閉じていたものが突然思い出されると、
パニックになったり、平常心でいられなくなったりします。
それがどこに仕舞われているのでしょう。

大脳皮質なのでしょうか。
小脳なのでしょうか。
あるいは、尾状核、被殻、淡蒼球、扁桃体、海馬なのでしょうか。
こういうことは治してみないとわからない事があります。
猿や犬や猫、ネズミでは会話ができないのです。
そして前提となっている動物が正常でない場合があるのです。
人の場合でも、色々と研究する時、
その前提となっている事が、正常である
という仮定のもとに行っていますが、
その仮定そのものが違う場合がたくさんあるのです。

治していって、ここがまだ治らないとか、
このような状況になるとどうもおかしいとか、
その場合、どこが治っていなくてそうなるのか、
という事がわかってくるのです。
ここまで治して異常が取れているのに、
どこが治っていないのか?
その繰り返しにより、少しずつ脳の働きがわかってくるのです。

思い出すと涙ぐみ、脳が機能停止になる、心が凍りつく。
大脳皮質、小脳、その他の所を治していって、
なおかつそのような状態が起こるというのは、どこなのか。
視床のある部分にそのことが残っているようなのです。
視床には沢山の核があります。
その1つ1つはどのような働きをするのか、
ということは少しずつわかってきていますが、
まだまだ不明なことがいっぱいです。
でも、その核が正常に働いている、
非常に良く働いているということはわかります。
その中で働きの悪い所があると、
いじめにあったり、苦しい事、悲しい事があった時、
働きが低下して、心を閉ざし、無
意識の防御をしている視床の核があるだろうと。

そしてそれを治してみると、どうなるか。
そう、思い出しても、
そんなにダメージがこない状態になっているのです。
それが視床の背外側核なのです。
様々な事でここの部位の働きが悪くなると、
どうしても治りきらない病になったり、心のトラウマとして、
静かな水面に石を投げた時波紋が広がるように
脳全体に影響を及ぼしていくのです。


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2008年4月9日(水)

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