医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第654回
全館停電

人は自分を基準にして判断することが多いものです。
かなりの人はその人の状態の把握というのを
間違って判断しています。
こんなことある訳ないと思いがちですが、
そうでない事があるのです。
そして酷い誤解をして生きているし、
誤解を受けて生きている人もるのです。
失敗をして怒られた時、
受け答えも何もできないような
状態になってしまう人もいるのです。

怒っている人は、怒る事で
二度と同じ失敗をその人に起こしてもらいたくないと
親切心から怒る場合もあるでしょう。
また何度も同じ失敗をするので、
ついついカッとなって酷く怒ってしまう時もあると思います。
その時、怒られた人がただジッとしていて、
全く受け答えをしないと、
なんで黙っているのかということで
更に酷く腹を立てることもあると思います。

怒られた人の脳が思考停止(いわば脳の全館停電)
の状態で反応することも、
言葉を返す事もできない状態にあるなんて
考えたこともないでしょう。
また、その人にとって非常にショッキングな事を言われた時、
またショッキングな事が起きた時も
同じような反応をする人もいるはずです。
泣く事もわめく事もなにもできず、
無動、無表情の状態に陥ってしまうのです。
そのような状態の時には
脳全体の血糖値が急激に低下してしまうのです。

図1
図2

図1、図2は
大脳皮質外側面の左右です。
ピンク色の所が全体を占めていて、
血糖値が極端に低下しています。
この状態だと眠る前の状態に似ているのです。
大脳の活動が極端に低下しているのです。

図3
図4

図3、図4は大脳皮質内側面の左右です。
ここも血糖値が極端に低下しているのです。

図5

図5は大脳皮質脳底部です。
ここも働きが極端に低下しているのです。

図6

図6は小脳ですが、
平衡感覚をつかさどる所が良く働いている以外は
極端に血糖値が低下していて働きが低下しています。
それから島、海馬、扁桃体、被殻、淡蒼球、
尾状核、視床の緒核も働きが低下しているのです。
脳全体が全館停電状態になっているのです。
怒られて家路につく時の足取りの重さが想像できると思います。

怒った人はこういう
自分には想像もできない状態が相手に起こっているのを
考えたことがあるでしょうか。
単にたるんでいるとか、のろまとか、ぐずとか
心の中で考えても、そういうのでなく、
脳の機能停止状態を引き起こしているのだ
という事を考えないといけないのです。
学校を休んで寝てばかりという人も、
会社を休んで寝てばかりという人も
同じような脳の状態になっているはずです。
この全館停電を治す漢方薬というのもまた不思議にあるのです。


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2008年4月7日(月)

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