医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第622回
統合失調症の脳の働きはどこが違うのでしょうか?

統合失調症は様々な症状
(幻覚、妄想、異常な思考、考え方が狭いとか、
意欲が欠乏するなどなど・・)が見られるものです。
インターネットのメルクマニュアルの家庭版を見ると
詳しく書かれています。

統合失調症のいくつかの画像を調べてみると、
大脳の内部にある尾状核や扁桃体の上3分の1の
働きが低下しているのと、
図1は左側の大脳皮質の外側面です。

図1

図のように大脳皮質の視床に対応した部位
(図では視床に対応した大脳皮質に視床の名前をつけているので、
実際に使用している皮質の名前とは違っています)
で、ピンク色の部位は病的に働きが亢進している皮質です。
緑の部位は極端に働きが低下している部位です。
左の側頭葉の働きが低下しています。
それに対応する大脳白質の軸索損傷もあります。
要するに大脳の表面だけでなく、
そのなかの配線の役割をするものも損傷を受けているのです。

図2

図2は大脳皮質の右側です。
ピンクの部位が働きが亢進し、
緑の部位が極端に働きが低下しているのです。
右前頭葉前野の働きが極端に低下しています。

図3

図3は左大脳皮質の内側面です。
左側の帯状回と前頭葉の内側面の働きが低下しています。
ピンク色は亢進している部位です。

図4

図4は右大脳皮質の内側面です。
ここは機能が亢進している部位があります。
後頭葉の外側膝状体に対応する視覚中枢の機能が亢進していて、
幻覚と関連していると思われます。

図5

図5は大脳皮質の底面です。
左の前頭葉眼窩面の機能が低下しています。
ピンクは機能が亢進している所、
色を塗っていない所はほぼ正常な働きの所です。

それから側頭葉の内側にある島という皮質は音と関連しています。
そこの働きも病的に亢進しています。
そのため幻聴の症状がでるものと推測します。
その他に視床の中では、
枕核、後外側腹側核の働きが病的に低下しています。
働きが病的に亢進しているものは、
背側外側核、外側膝状体、手綱核が病的に機能亢進しています。

機能低下をしている所を正常にもどし、
機能亢進している所を正常にまでもっていくと、
統合失調症の治療も可能性があることがわかると思います。
大脳白質の軸索損傷も皮質の異常も
食べ物との関係もあるのです。
その部位に合わない食べ物は
徐々に神経細胞や神経繊維を破壊していくし、
その他に細菌、ウイルスの潜伏感染、
外傷などでも発症することがあり、
それも治療するとなんとかなる可能性があるのです。


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2008年1月23日(水)

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