医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第561回
漢方薬と色

つい先日、私の所のスタッフに
色や音についての話しをしていました。
色にどうして興味を持ったかという話をしました。

昔は漢方で治す事が
あまりうまくないという事を実感していました。
風邪に関しては今も一目置く人が札幌にいます。
あいの里であい薬局を開いている
薬剤師の山口さんという方です。
同じぐらいに漢方を勉強した山口さんのようになるには、
見方をかえれば、うまく行くかもしれないと常に考えていた時、
上から下まで黒い洋服を来てきた人がいました。
その人の話を聞いて、色々と診て見ると、
真武湯という漢方薬が効きそうだったので、
それを処方しました。

一週間後に来た時、
ぱあ〜っと明るい洋服を来てニコニコしていたのです。
これを見た時、色から処方がでるかもしれないと思いました。
真武湯というのはもともと玄武湯と言ったようで、
東西南北の北に通じ、黒に通じるのです。
そういう目で見ると、患者さんが着てきた洋服の色から
処方がでないかという発想です。
赤は朱雀、青は青竜、白は白虎とあります。
そこで、色の意味を様々な本で勉強しました。

そうこうしているうちに、
咳がひどくてなかなか治らないという人が来て、
たまたまその人は小青竜湯という漢方薬で
ピタッと治ったことがありました。
その方の家に一度往診ででかけた事があり、
通された部屋のとなりの部屋が壁紙から調度品まで
全部青色一色だったのです。
咳が治った人の趣味で作った部屋だというのです。
これにもビックリしました。
その時、漢方というのは、奥が深いなと思いました。

色の勉強をしていくうちに、
それと漢方薬を結びつける仕事はますます興味がつのりました。
それとともに色単独でもおもしろいと思うようになり、
仕事を変えてしまう可能性があるかもしれないと思ったのです。
カラーコーディネイトの仕事も面白いと思いましたが、
色に対する反応とか興味は
人間の本質的なものに根ざしているので、
脳の問題になってくるようなのです。

傍から見てその人に似合う色というのは、
本人が実感している色と違う事があり、
色がその人を癒してくれる色でないと
違和感を感じてしまうのです。
ですから、似合わない色の洋服を
平気で着ていることもあるのです。
傍でみるその似合わない色が
その人の心を癒しているからなのです。
癒してくれない似合う色の洋服は
家に帰りリラックスした状態では決して着ていられないので、
すぐ脱いでしまいます。
そこに色の本質的なものがあるからです。
というような話をしました。


←前回記事へ

2007年9月5日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ