第560回
治らない時ははっきりと治らないと・・・
ここが治らないというふうに言っていただくと、
そこを何とかしようと考えて、
色々とその原因を探し、処方を見つけようと努力します。
全然良くならないし、かえって悪くなったという時も、
その原因を探り、なんとか良くしようと
あれこれと考えていきます。
いつも簡単に治る病気ばかりではないので、
一度の処方ですっきりというわけにはいかない場合もあります。
治らないので、いい返事をしたいけれど、
そうできないので困る、
でも言いづらいという事もあると思います。
こういう時はお互いのやりとりがあって、
どこが問題かを見つけて解決していくという例です。
「今回も処方していただいた薬が自分に合っていたのか、
問題なく生活を送ることができました。
目の前が明るくなる感じで、
かなり生活の質も改善されてきました。
特に家事や用事をこなす時、
以前なら色々と不平・不満や怒りの感情が
湧き出ていたのですが、それがまったくなく、
淡々と快調に作業をこなすことができるようになりました。
その分すべての効率がアップしています。
例の視覚異常(他人の顔面だけが歪んで見える)なんですが、
どうもゆっくりと改善の方向へ向かいつつあるように感じます。
現在でも症状はあるのですが、
他人の顔面の歪みが小さくなったり、
また凝視するとスッと元に戻ることがあるのです
(以前はこのような変化はありませんでした)。
このままの調子で快癒してくれると本当に嬉しいです。
抑うつ状態は非常に改善されました。
また突発的に怒り出すことも劇的に減りました。
ただ、小さなことでクヨクヨしたり、
考え込んでしまうという癖がなかなか治りません。
認知の歪みまではまだまだ矯正されていないようです。
引き続いての治療をよろしくお願いします。」
脳の視覚領域に問題があるので、
ここを治療する処方をだしているのですが、
同じ処方で全部良くならないので、
次々と処方を変えていきます。
例えば一段ずつ階段を登る、
その都度処方が変わっていくようなものです。
「前回処方していただいた薬を飲み始めて二日目に、
突然例の視覚の歪みが治りました!
3〜4年の間ずっと続いていたものが、あまりにも突然に、
まるで何事もなかったかのように治ってしまったので
本当に驚いています。
その後もジョギングなどをして体温が上がった時に、
視覚が歪む前触れを感じることもあるのですが、
ジッと凝視するとその感覚は消えてしまいます。
つまり99%ぐらいは治ってしまったのです。
これにはちょっと感激してしまいました。
本当にありがとうございます!」
という具合に、良くなった所、治らない所を言っていただくと、
また考えて治そうと努力するのです。
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