第512回
向かう方向が正しく、即座に危険を察知し・・
勇敢であり、愛情深く思いやりがある。
常に考え深く、そして行動的である。
敵が来るのを誰よりも早く察知し、
その対策を即座に全員に伝え、
できるだけ防御できるように、被害を最少に止めようとする。
渡り鳥のトップにいる鳥は一群の群れを率いて行動するため、
一群の中で抜きんでて脳の働きがいい鳥が
なるようになっている。
そして上に挙げたような行動をとるようになっているようです。
どうして渡り鳥の脳を調べる気になったか?
というと、日本経済新聞の4月の私の履歴書を連載している
鈴木敏文さんの易と脳を調べていて、
脳の働きが全般に特別いいのはもちろんですが、
その中でどこの脳が他の人と比べていいのか、
抜きんでているのかを調べていて、
先を見通す目あるいは危険を避ける直感、
どの方向を目指すか、
考え深さなどが際立っているのを知った時です。
渡り鳥の個々の写真を見ると、
小脳の方向感覚を司る所が
みな一様にものすごく働いているのです。
脳の血糖値の反応でみると、460万mgの反応があります。
これぐらい小脳の方向感覚を司る所が高性能でないと
見ず知らずの所を目的地を目指して
飛ぶことはありえないでしょう。
人でもこの方向感覚がすぐれている人は、
未知の土地でも直感的に目的とする所に行ける
可能性のある人もいると思います。
渡り鳥のトップの鳥は一群の中でも
この能力が一番働く鳥がなります。
危険を察知する所は視床の前腹側核が司っているようです。
渡り鳥の中で小型の鳥は一様にこの部位の働きがよく、
白鳥のように大型の鳥では、
トップの鳥だけが
ここの脳力が小型の鳥と同じような能力なのです。
ここの働きはネズミやナマズの脳でも同じぐらい働きます。
渡り鳥のトップにいる鳥は、
また視床の背内側核の働きも特別いいのです。
ここの働きがいいと恐れるということがないのです。
勇敢です。
思考力というか、考える力というか、
こういうのは、脳底部の後頭葉の働きのようで、
ここの働きも渡り鳥のトップはいいのです。
ここの働きが良くて、
しかも前頭葉の働きもいいのが渡り鳥のトップなのです。
その他の従う鳥はこのあたりの働きが良くないのです。
それから思いやりというか、愛情こまやかというか、
こういう働きは側頭葉の働きが特別いい人のようです。
いい鳥のようです。
ここの働きもまたトップの鳥はいいのです。
ということで、
一群の中で脳の働きが全般的に抜きんでているのが
トップになっているのです。
トップの脳の働きが悪いと
群れは飛んでもない状態になるのです。
鈴木敏文さんの仕事の仕方を研究しても、
それに近づくことは出来ても、
同じレベルになるはずはないのです。
脳の性能が違うのですから。
研究もいいのですが、脳を治してその働きを良くし、
同じぐらいのレベルにすることがもっと大事なのです。
ここいらを判らないと方向違いになる可能性があります。
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