第468回
空腹になると怒りっぽくなる人、うつになる人、バカ食いする人
昔、父親がよく機嫌が悪くなることがありました。
その時、母親が言うには、
この人は腹が減ってくると機嫌が悪くなるので、
三度三度の食事は
一番先にさせないといけないと言っていました。
空腹になる前に食事をさせることがポイントなのだそうです。
そして父親が言うには
肉を食べると腹モチが違うと話すのを記憶しています。
要するにご飯とか炭水化物だけの場合より
肉などのタンパク質を食べると
空腹になる時間が遅くなるということなのです。
この意味がなんとなく分かったようでわからないでいました。
医師になってからでも大分経ちますが、
空腹になると血糖値が下がり、
何かを食べないと身体が血糖値を上げようとして
ノルアドレナリンとかアドレナリンなどが血中に放出されて、
血糖値を上げようとし、
そのノルアドとかアドレナリンのために交感神経が刺激されて
イライラすると考えていました。
それはそれでいいのですが、
うつになるというのはどういうことか、
よくわからなかったのです。
空腹になると血糖値が下がり、
脳の視床背内側核も血糖値が下がります。
それは局所的に下がる現象が起こるのです。
うつにならない人はこの部位の血糖値が下がらないのです。
脳の部位で血糖値が局所的に下がることにより、
多彩な症状が起こってくるのです。
その原因の多くはすい臓に問題があります。
検査では異常とでない範囲でも
Oリングテストしてみると異常があり、
その事が脳の働きに異常を起こしていることがあるのです。
すい臓からはインスリンやガストリン、グルカゴン、
VIP(vasoactive intestinal peptide) などの
ホルモンが分泌されます。
インスリンの放出が少なくなると糖尿病などになります。
糖尿病も原因により分別されていますので、
単純にインスリンの出が少なくなってなる人と
そうでない人もいます。
多くの空腹になると怒りっぽくなる人やうつになる人、
バカ食いする人を調べてみると、
インスリンの過剰にでる状態
(インスリノーマ)の反応する人がかなりの数にのぼるのです。
そしてインスリンだけでなく、
グルカゴンやガストリンなども
過剰に出ている人の方が多いのです。
こういう人は極端に空腹になった時、
食べても食べてもまだ食べたい、
お腹はぱんぱんなのに脳の方では
もっと食べろという指令をだすようです。
血糖値が思ったほど上がっていないのです。
特に甘いものや炭水化物だけの食事だと
血糖値はすぐ上昇しますが、
その上昇と同時にインスリンも大量にでて、
その反動として血糖値が下がってしまうのです。
そのため食べても食べてもまだ食べるということが
起こるのです。
そして胃の調子が悪くなり、吐いてしまうことにもなります。
胃の調子が悪いために、翌日は食事を朝、昼としない、
夜に回復してくるとまたバカ食いする、
この繰り返しが摂食障害、
過食症と言われることにつながりませんか。
この原因はすい臓のインスリンやガストリン、グルカゴンを
過剰にだしている異常な細胞を治療しないといけないのです。
|