第433回
胎内環境
日経サイエンス2006の12月号のニュース・スキャンに
胎児期の健康が重要という記事が載っています。
母親が妊娠している時に
インフルエンザにかかった人達の子供は
高卒の資格を得た率が15%低く・・・
ということから胎児期の健康状態をよくする政策をとれば
将来が違う・・と。
これは何もインフルエンザばかりでなく、
身近な感染をも避ける事が重要だ
ということを示唆しているのです。
前回も書きましたが、
妊娠中の病気はその原因が運び屋さんによって感染が広がり、
症状があろうがなかろうが、
そういうことにより潜伏感染をも含めて
確実に保菌者になっているのです。
そして妊娠することで、
胎盤を経由して胎児に感染が広がっていくのです。
それが脳だったり、胃腸だったり、皮膚だったり、
その子供の弱い所に感染して、ハンディを持たせるのです。
あまりにも大量に感染すると流産したりすることもあります。
こういうことは今に始まったことでなく、
もう人類の誕生とともにあったといってもいいぐらいで、
中国でも今から二千年以上も前の漢方の古典
(今でも通用するので古典というのも変なのですが)
の金匱要略にも婦人妊娠病、婦人産後病、婦人雑病
という項目があり、
それぞれの病状とそれに対応する漢方薬が
治療法として載せられているのです。
漢の時代のミイラにもそういう細菌の反応があるので、
別にとりたててめずらしいことでもないのです。
ですから、それに対する治療法が確立されていたのです。
妊娠病の最初には桂枝湯が載っていて、
それはかなりの妊娠している人に使える処方です。
妊娠している人が体調が悪いと言えば極端な話し、
なんでもかんでも桂枝湯というぐらい使える処方なのです。
その次には流産しかかって、
熱がでて腹痛がしてお腹が張ってきたら
附子湯が効きますよ、と。
これでお腹を温めて治しますよ、と。
お腹が冷えて流産しかかったと考えるのは、一理ありますが、
そうではなく、細菌やウイルスが運び屋によって運ばれてきて
感染が成立して流産しかかったのですよ、
と考えたほうが妥当だと思いませんか。
運び屋さんは、
自分が細菌やウイルスを運んでいるなんて露知らずで、
それが母親や胎児を危険にさらしているなんて
考えもしないでしょう。
その次には妊娠中出血したり、
流産やそれに類いしたことでの後、
出血がなかなかとまらなかったりしたら
弓帰膠艾湯が効きますよ、と。
その次には、妊娠していて色々なことで、
お腹が痛くなったら当帰芍薬散が効きます、と。
下腹部が痛くなるというのは、
細菌やウイルスの潜伏感染の可能性が大いにあるのです。
その原因は運び屋さんによることが一番多いのです。
この当帰芍薬散は様々な細菌やウイルスに妊娠中は効きます。
妊娠していない時は色々な薬を選ばないといけないのですが、
どういうわけか妊娠した途端に
あの細菌、この細菌、あのウイルス、このウイルスと
一挙に掃除してくれる非常に重宝な薬に変身するのです。
そして母胎ともにキレイにしてくれる薬になるのです。
胎内環境を浄化する漢方薬になるのです。
これを妊娠中飲み続けるのです。
もちろん個人差があり、別の漢方薬が浄化する場合もあります。
私たちの環境も浄化しないといけませんが、
誕生する場所の胎内環境浄化が大切なのです。
その為には、子供を作る前に二人の体内浄化が必要なのです。
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