第419回
山天大畜
易経の卦の26番目にあたるのがこの山天大畜なのです。
徳間書店の丸山松幸訳では、
・・・人徳、知識、人材、資金を十分にたくわえ、
気力充実、精気横溢してはじめて大事業がなしとげられる。
危険や障害も堂々と克服してゆける。・・・とあります。
9月の日経新聞の私の履歴書は
三浦雄一郎さんが書いています。
連載14回目の中で
理不尽な理由でアマチュアの資格を
はく奪されてしまった経緯が書かれています。
枠にはまらない人ですから、
これで良かったのかなと思いました。
その頃の三浦さんは、易の卦は沢天夬です。
河村真光著(光村推古書院)
易経実践の解説では
決断の時である、周到にしないと危うい。
強硬策は行き詰まる・・・と。
連載15回目の時では、
アメリカで初の賞金を手にした時の写真がでています。
この時の三浦さんの易の卦は雷水解です。
易経実践の解説では、
難問解決、この好機を活かす、
残っている問題はこの機会に片づける・・・と。
この私の履歴書に書かれている記事と
易の卦がなるほどとうなづける状態なのです。
その後17回目の記事で富士山から滑降しました。
この危険な滑降の時もみごと成功したのです。
その時易の卦は山天大畜だったのです。
易経実践の解説では、
チャンス到来、蓄えたものを積極的に活かす時、
活用すればするほど強力となる・・・と。
18、19回目の記事はエベレスト滑降です。
死ととなり合わせの滑降です。
生きて帰れないかもしれないと・・・。
この時の易の卦も山天大畜なのです。
22回目の南極大陸でのスキーの滑降の記事も雪崩にあったり、
クレバスに落ちたりしていますが、
このときも生還しています。
この時も三浦さんは山天大畜なのです。
23回目の記事では
南極最高峰のビンソン・マシフに
挑んだ時のことが書かれています。
この時も大変なことがありましたが、結局生還しています。
この時の易の卦も山天大畜なのです。
24回目は
七大陸最高峰スキー滑降達成祝賀会の写真がでています。
この時の易の卦は坎為水です。
易経実践の解説では、
状況は険しい、一難去ってまた一難、
だがあせってはならない・・と。
なぜ成功した祝賀会でこのような易の卦がでたのか、
記事を読むと納得の結果が書かれています。
25回目の一念発起の記事です。
エベレスト登頂の夢をかなえるための行動を起こし
鍛練をしています。
その時の易の卦は雷風恆です。
易経実践の解説では、
継続は力である。これまでのやり方で押し通した方がよい・・・と。
27回目の記事ではエベレスト登頂成功の記事です。
登頂隊の村口徳行さんは
命を預けられる本物の山男だと書かれています。
この人に従って登頂が成功します。
この時の易の卦は地風升です。
易経実践の解説では、
よき先輩に従うなら、案ずることはない・・・と。
村口さんの易の卦は山天大畜なのです。
その時自分が危険から生還して、
山天大畜だったなんて知る由もないことです。
日経新聞の9月の私の履歴書を読み返してみて、
この易の卦がどういうことを意味しているのか、
よく味わってみてください。
今月はまた東京での相談会と
駒場エミナースでのセミナーがあります。
詳しくはホームページ(※1)をご覧ください。
※1 とよおかクリニック:http://www7a.biglobe.ne.jp/~toyooka-clinic/
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