医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第234回
弘法は筆を選ぶ

7月24日、日曜日夜、
NHKのテレビでプロボクシングの徳山と川島の
対決の前の練習風景やこだわりなどを放送していました。
結果は徳山が勝ったのですが、何故徳山が勝ったと思いますか。

二人ともすごい練習量です。
しかも同じように脳の働きもいいのです。
前頭葉の働きもいいし、その他の脳の働きもいいのです。
川島も考えられる限りの
トレーニングメニューをこなしていました。
トレーナーの考えた事、自分の考えた事、
全てを考えて徳山対策をたてていました。
同じように徳山も川島対策を考えてトレーニングしていました。

しかし、徳山にはこだわりがありました。
自分の考えにしたがって
今までの常識にとらわれないで練習することです。
ということは、道具やトランクスを選ぶ時、
自分流にこだわったと思います。
このパンツでないとだめ、このグローブでないとだめ
というこだわりがあったと思います。
その物を見る目が川島よりいいものを持っていたのです。

徳山のグローブもパンツもOリングテストしてみると
非常にいいものです。
ぴったりのものを選んでいるのです。
それに対して川島のグローブはペケ、パンツもペケです。
体に合わないものを選んでいるのです。
相対する二人の力が非常に拮抗している時は、
ちょっとの差が大きな差になるのです。
一瞬の間合いの取り方で勝負が決まる事があります。
ましてや力の入らない道具を選んでいては、
最初から勝負あったも同然です。
力に歴然とした差があるなら、
たかがグローブ、たかがパンツとなるでしょう。
でも、二人の力は拮抗しているのですから、
ちょっとした差が大きな差になるのです。
Oリングテストして合わないものを身に付けていると
力がでないのです。
ここが大切なのです。

弘法は筆を選ぶのです。
実力があればあるほど良い筆を選ぶのです。
それと同じように良い道具を選ぶことです。
身に付けるものすべて良いもの、自分に合うものを選ぶのです。
自分に合うもの、合わないものを見分けるのは、脳です。
どんなスポーツでも脳がよく働かないと、
いい結果には繋がらないのです。

ちょっと話しがそれますが、
スケートの清水選手の靴も
素材から選んで靴を作らないといけないのです。
素材がいいものであっても、
清水選手に合うものでないとダメなのです。
ここの所を理解していないので、靴で失敗するのです。
皮をOリングテストすることから始まって、
使う糸、使う金属、出来上がったものを
もう一度Oリングテストして合うか合わないかを調べるのです。
隅々まで調べないといけません。
まあいいかではないんです。
履いているとなじむなんていう考えではいけないのです。
合わないものはなじまないのです。
合うものであって初めてなじむという事が言えます。

道具を選ぶことは非常に大切なのです。
大切だということはわかっていても、
自分に合うもの合わないものをどうやって選ぶか?
それがわからないから困ると思うのですが、
Oリングテストして選ぶとそんなに面倒なことはないのです。
ぱ〜っと行うと、なれると5分もかからないぐらいです。

話し変って、相撲のふんどしも合う合わないがあります。
合わないふんどしは稽古で使ってもいけません。
怪我の原因になります。
力が入らないのです。
ということで、弘法は筆を選ぶ。
使う道具は必ず自分にぴったりのものを選ぶことです。


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