第196回
モナリザを知っていますか?
モナリザというとダ・ビンチの書いた有名な絵ですが、
この絵ほど色々な人の脳のMRIを調べていて、
反応する絵はありません。
絵は右後頭葉の内側に反応します。
ここにモナリザの記憶が貯蔵されているのです。
人により左の人もいると思います。
このモナリザの記憶の貯蔵庫(後頭葉の内側部)から
前頭葉まで神経繊維が伸びているのです。
こういう人はボケていないのです。
ところが惚けてくると、
この貯蔵庫からの神経繊維が途中で途切れたり、
全くなくなっているのです。
ボケとはサンゴ礁の島が海面の上昇で陸地が少なくなり、
道路が寸断されたり、
または細い道路が一本しか通じていない状態
と考えればいいわけです。
モナリザは確かに後頭葉に反応し、記憶はされているのですが、
そこから思い出す道路が寸断されているのです。
モナリザの絵を見せて、これなんという絵ですかと尋ねると、
う〜ん、見た事があるようなないような、
と答える人は道路が寸断されている人ですから、
ボケの始まりの人です。
ところで、ダ・ビンチという人はどういう人だったかというと、
脳の働きがとてつもなくいい人なのです。
もちろん、前頭葉がすばらしく働いている人です。
そして脳の帯状回も全く問題がありません。
この帯状回に異常があるととらわれることになるわけです。
資格をとらないと食べていけないと考える資格人間になったり、
色々なことに、こだわることになるわけです。
異常の程度によるのですが、
異常がひどいと、ストーカー行為になるわけです。
脳全体がよく働くので、何をやってもすばらしい事を成し遂げる、
しかも、なんにでも興味をもって、
じっとしていられないというか、
次々とアイデアが湧いてくるというか、そういう人間のようです。
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