第165回
空海さんお元気ですか
今から1200年前に私が生きていたら、
そう思うだけでワクワクします。
空海さんを診察できたかもしれません。
空海38歳の時の遺墨をOリングテストして調べると、
空海さんも病気だったんだということがわかります。
脳の延髄の異常を見ると、心臓とすい臓と肺に異常があります。
ですから、この臓器の病気になっていたか、
なりつつあったかです。
肺には結核菌の反応もあり、そして前癌状態の反応もあります。
ひょっとして糖尿病になりつつあったのかもしれません。
というのは、すい臓のインスリンを出すランゲルハンス細胞に
異常があるからです。
ちょっと疲れて元気がないような状態もあります。
漢方薬だと脳の赤核の異常には橘皮枳実生姜湯、
これは心臓にも効きます。
脳の橋の異常には黄今湯、これは胃やすい臓にも効きます。
延髄の異常には炙甘草湯、これは疲れや心臓の不整脈にも効きます。
この薬は当時でも手に入るものですから、
これを服用していたらもっと長生したかもしれません。
空海さんは61歳まで生きたのです。
食べ物のハンディは米、大根、小麦ですから、
胃もあまり丈夫ではなかったのかもしれません。
みかんもダメですから、すい臓の働きもよくなかったと思います。
いちごと紅茶もだめ、
これは精巣の病気の人には良くない食べ物です。
アルコールもよくありませんでした。
予知能力の働きを持つ部位が橋にあります。
そこの神経伝達物質のアセチルコリンの量が15mgも反応します。
まさしく予知能力があったんだということになります。
我々普通の人は1mgぐらいですから。
空海さんの性格は角があります。
弟子になると、しんどいだろうと思います。
最澄さんはまるい性格です。
その頃には大村先生もいないし、Oリングテストもないし、
今までの漢方の診察の仕方で、顔を見て、脈を見て、舌を見て、
身体を触って、あれこれと診察して、
薬は見当違いのものを出していたかもしれません。
NHKの華岡青洲のドラマを見ていると、
診察の仕方が進歩しないと、ドタバタしてしまうのです。
今、私が使っている薬は当時でもあったのですから、
当時、漢方薬の使いかたがもっと自由にできる
診察の仕方があると、かなりの病気が治せたはずです。
光学顕微鏡が電子顕微鏡になって初めて、
ウイルスが見えたのと同じように、
周辺の技術の進歩が大切ですね。
空海さん、失礼しました。
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