| 第983回やはり鮨は経験よりタネ質だ、鮨 はま田
 おいおい、銀座の鮨屋「青木」に腕の良い2番手が居ただろうか。昨年はじめ、「次郎 よこはま店」が銀座に移転した後を、
 居抜きで借りて独立した主人が、
 青木出身の2番手だった浜田氏と知った時の私の感想です。
 修行店の「青木」では、
 確か2番手は「お決まり」やテーブル席の客相手が専門で、
 「お任せ」などの上客には対応していなかったはず。
 経験の少なさから雑誌で持て囃すほどの鮨屋に
 一朝一夕でなれるものなのだろうか。
 しかし、マスコミでかなり宣伝してもらったお陰か、
 営業は順調なようです。
 今はマスコミで言う「名店」の筆頭に位置する「水谷」も、この地では一回転営業が基本でした。
 その姿勢は銀座へでても変わっていません。
 しかし、この「鮨 はま田」は
 関内から徒歩10分とかなり立地が悪いのに、
 「しみづ」と同じく客を素早く回転したがる
 強気の営業でありました。
 最初電話したとき、18時半の予約では受け入れられません。
 2回転目の客が19時半に控えているからだそうで、
 17時台に入店するよう要請されました。
 地元勤めでない客が18時前に行けると考えているのか。
 かなり勘違いしていると憤慨しましたが、
 無理して17時過ぎに訪問したのです。
 ツマミは貝類、白身、色物と質は最上ではありませんが、まずまず。鮪はマスコミが最近やたらと取り上げている
 フジタ水産からの仕入のようですが、
 傑出さはないまでもこれまた悪くはない。
 コハダなど〆物もそこそこでしたが、
 一人当たり1万6千円前後と
 この立地では最高額鮨屋の支払いとなりました。
 この支払いでオタク系の一人客や
 女性だけのグループが目立つ変わった客層。
 19時半予約の次の客が店先で立って待っているのも忙しなく、
 落着かない鮨屋訪問でありました。
 今年になって再訪しましたが、夜に無理ムリ客をいれない方針に変わったようです。
 無駄かと思いましたが、
 19時と中途半端な時刻を希望したらあっさり受け入れられたのです。
 客からの苦情が出たのか、
 とにかく勘違いを改め修正していたのには感心しました。
 <結論>
 修行歴があろうが無かろうが、
 タネさえまともなものを仕入れれば、ある程度の鮨屋ができるのは、
 「さわ田」、「なかむら」に続いて「はま田」でも証明されました。
 しかし、客の回転させすぎです。
 まだ若い夫婦、そんなに稼ぎ急いでどうしたいのか。まだ先は長い。
 地道に実績を積んで常連を開拓していかなければならないのに、
 ミーハーな女性やオタク相手で
 目先の儲けに目がくらんでいるとしか思えません。
 <今年の結論>場所が場所なだけに行きにくいが、
 夜が1回転ならゆっくり訪ねてゆっくり楽しめる。
 これからも慢心せず、
 客のことを考えて営業していただきたいと考えます。
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