| 第965回旅館の料理としては秀逸、指月 1
 「料理が美味しい旅館」という情報はマスコミや口コミでよく聞きますが、
 実際訪問して満足される事が多いでしょうか。
 「あさば」、「炭屋」、「俵屋」
 そして最近では高額なだけがウリの「強羅花壇」。
 支払い時に満足感を持たれて店をあとにされた旅館が
 沢山あるかどうか。
 「料理がおいしい旅館」と雑誌で知り、奥湯河原の「指月」を初めて訪問したのは10年以上前の事でした。
 あまり期待しない訪問だったからでしょうか、
 確か初夏という
 あまり食材的に恵まれていない時期だったにもかかわらず、
 供された料理はどれも満足するもの。
 旅館の料理、わざわざ奥湯河原までいった、
 といった立地や条件の妙も後押ししたかもしれませんが、
 旅館料理としてはかなりのレベルだと判断しました。
 初回の訪問ほどの驚きはありませんが、
 その後の再訪でも、期待を決して裏切らない安定した料理に
 私は今でも時たまではありますが、再訪しております。
 湯河原駅からタクシーかバス、できれば自宅からは車で訪れたい、有名な料亭旅館「海石榴」より奥に位置する小さな旅館であります。
 本館はわずか4部屋、内風呂付きの部屋もありますが、
 貸切の2つの家族風呂がありますから、
 部屋数から考えて内風呂なしの部屋でも充分でしょう。
 かなり制限した部屋数、
 宿泊客以外にも夕食を提供する営業方針といっても
 売り上げは想像できます。
 おそらく祝祭日前夜以外の平日でも、
 宿泊客などが途絶えないのでしょうか、
 経営が順調のようでして、昨年の訪問で知ったのですが、
 道向うに露天風呂をそれぞれ備えた
 2部屋の豪華な離れも出来ていました。
 食事は部屋ではなく専用の隣接した建屋のカウンターでする方針。
 料理長は体一つで、両館を行き来していますが、
 クオリティ落とさず大丈夫なのか、
 ちょっと心配になる点であります。
 この料理長は京都出身、京の食材を取り寄せた「京料理」が
 この旅館の最大のウリとなっております。
 <明日につづく> |