| 第952回「與兵衛」の評価を読者の方に伺いたい
 鮨屋巡りに精を出している友里ですが、巷の評価がまったく理解できない鮨屋があります。
 最強鮨サイトやさとなおさんも絶賛の西大島「與兵衛」です。
 ひなびた商店街にある小さな鮨屋。
 ドイツから帰ってきてから店を出したと言う主人の出身店は
 「久兵衛」ですが、
 彼の握る鮨にまったく「久兵衛」の面影は見られません。
 というか、他の店でもおそらく見られないであろう
 強烈な個性があります。
 私は単なる「タネの〆過ぎ」と評していますが、人の嗜好は様々ということでしょうか。
 タネの違い、質の良し悪しもわからないくらい仕事のし過ぎ、
 ワンパターンであると思うのですが、
 あばたもエクボと言ってはなんですが、
 このワンパターンが良いという人が多いのに驚きです。
 さとなおさんも、
 「ヒラメ、シマアジで始まって、イワシ、コハダ、
 カスゴやアナゴに至るまで、
 すべて店主のイメージの一点に収束している。
 タネの味や状態に左右されず、そのイメージに近づけていく作業。
 つか、イメージに近づけられるタネしか仕入れない。
 そういう意味では「一本調子」と形容する人もいるかもしれない。
 最初から最後まで同じ傾向の味ではあるからね。
 でもボクはこの店に鮨を食べに来るというよりは
 『鈴木さんのイメージを食べに来る』と思っている。
 タネごとの味の違いを驚きに来ているのではない。」
 とコラムに書いています。
 最初から最後まで同じ傾向の味、タネの味や状態に左右されない、主人独自のイメージに近づけた鮨なのだそうです。
 しかし、白身、色もの、ひかりもの、穴子に至るまで
 同じ傾向に味付けしてしまって良いのでしょうか。
 目をつぶって食べるとタネが何だかよくわからないことになります。
 最初から最後まで同じ傾向の味、
 一本調子の鮨で飽きないのでしょうか。
 極端な例ですがフレンチに行ってお任せを頼んだら、野菜も魚も豚、牛、鳩まですべて同じ
 「血のソース」で仕上げたものを出されるようなものではないか。
 こんなフレンチのシェフがいたら、
 「食材の良さ、個性を生かしきれない」と駄目だしされるでしょう。
 客が入るはずがありません。
 イタリアンへ行ったら前菜、パスタ、メインと
 すべてトマト味のものしかない店。
 考えられません。
 なぜに鮨屋、いや「與兵衛」だけこのような事が許され、いやそのことによって高評価されるのか、
 友里はおおいに疑問であります。
 江戸前をうたうこの店には、
 トロ、ウニなど比較的値の張るタネは置いてありません。
 これだけ強く〆るなら、
 タネ質に拘る必要もあまりないのではないか。
 タネの差さえわからないくらいですからね。
 あの立地、あの佇まい、そしてこのタネ質の割には、
 予算が1万円台後半と高額鮨屋に属する請求額ですから、
 いい商売しているとしか言いようがありません。
 この店をご存知の方もかなりいらっしゃると思います。
 友里の意見に賛否はあると思いますが、
 ぜひ、皆様の評価をお聞かせいただければ幸です。
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