自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第936回
コースの差が不明瞭で勿論CPも悪い、千ひろ 2

結果から書かせていただくと、
1万2千円から1万8千円迄設定されている
3コースの明確な違いがあるのだろうか。
コース間の違いを説明せず、
予約時にコースを決めさせられる営業スタイルは
「千花」と同じです。
コース間で使用食材や調理法を
ほとんど変えていない疑いのあるシステムは、
やはり地元民ではなく最高値をオーダーしてしまう観光客など
一見客の心理を突いた戦略に思えてしまいます。
実際、隣客のコース内容を観察していましたが、
若干使用食材が変わる事もありましたが、同じ料理も多く、
とても設定の価格差があるとは思えませんでした。

甘酸っぱいキウイをホタテに和えた付き出しは、
その相性の悪さを確認。まったくのミスマッチ。
どうしてこんな奇を衒う食材の組合せを選ぶのだろうか。
造りにトロロや昆布の千切りを添えるのは本家と同じですが、
魚の質が良ければこんなもの必要ないのではないでしょうか。
造りの味わいを昆布などの旨みで偽装する作戦です。
味の素の力を借りるのと意図は同じではないか。

お椀の出汁は、
最後まで神経質に調味料などで何回も微調整していて
なかなか決まりません。
こんなに手間取って煮詰めてしまっていいものでしょうか。
昆布が利きすぎの変に味濃いものでバランスが悪い。
ベースの出汁は火を入れっぱなしでしたが、
煮詰まらないのだろうかと心配になりました。

その後も、変な湯葉スープに驚き、焼き茄子の胡麻ソースも駄目、
白海老の掻揚げはべちゃべちゃで素人並の揚げ加減でした。
九州の赤ウニと言っていましたが、
タッパーに入っているのを見ると興醒め、
主人は左手中指を怪我したのか、
バンドエイドだけの処理だったのも
衛生面を考えると引いてしまいました。
デザートかわりのジュースが最後で、
CPの悪さに更に追い討ちをかけることになりました。

<結論>
鮎の存在がわからないほど小量な「鮎ご飯」の後は、
ミックスジュースでコース完了。
この使用食材、質、調理法で
1万8千円はあまりに高すぎるというものです。
私が訪問した時は昼でも2回転営業でした。
観光客も噂やマスコミの煽りに踊らされてはいけません。


←前回記事へ

2006年3月29日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ