第935回
コースの差が不明瞭で勿論CPも悪い、千ひろ 1
あのフランス料理界の重鎮、ポール・ボキューズ。
京都の有名店「千花」を訪れた時、
大女将は、このボキューズが書いた「No.1」という色紙を
一見客に自慢していました。
本当にボキューズが「ナンバーワン」と思って書いたと信じる客は、
マスヒロファン、さとなおファンである、
いわゆる「純粋な読者」以外に居ないでしょう。
欧米での「リップサービス」というシステムを
理解できない店のようで、
地元客ではなく府外の観光客や出張客相手の店になってしまった
この店は長男が継ぎ、次男が同じ祇園に独立して
「千ひろ」をオープンしました。
「千ひろ」を語る上で、
まずは私の「千花」に対する評価を再確認させていただきます。
電話で予約を申し込んだ時、
数あるコース価格の中からどれを頼むかの決定を催促されます。
1万5千円くらいから3万円くらいまであったでしょうか。
価格による料理内容の違いを説明しないのは想定内。
しかし、主人と思える人は、もう一つ取引を仕掛けてきたのです。
カードを使わなければ
食材というか料理内容をアップするような事を
ほのめかしてきたのです。
カード会社へのカード手数料の支払いが惜しいのか、
当局に売上を把握されたくないからなのか私にはわかりませんが、
良い気持ちをもたなくなったのは事実であります。
そして、高めのコースを頼んだものの、
期待した食材や調理法ではなくCPもろ悪。
コース価格による違いが本当にあるのか
疑問が沸いて店を後にしたのです。
「千ひろ」は、祇園ホテル対面の路地を上がった、
観光客が京都風情と感じる近隣と店構えはなかなか。
しかし、店内はかなり明るい照明で、
余裕の配置の6席のカウンターと小上がりがあります。
兄より性格が悪くないとの評判の、
サラリーマン然としたネクタイ姿の弟。
しかし、DNAに大差があるわけではないので、
果たして「千花」と違って
食後感よく店を後にすることができるのか。
訪したくなる店なのか。
期待と不安で私はカウンターの席に着きました。
<明日につづく>
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