自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第855回
こんなラスクが1枚100円とは

先日出張で品川駅から新幹線に乗り込む際、
話のタネにと、辻口さんの「和楽紅屋」へ立ち寄り、
ラスクをいくつか購入しました。
出張先で封を切って、取引先の知人たちと食べましたが、
辻口氏本人をまったく知らない人たちは、「なんだ、こりゃー」。

味噌味、ゴマ味、醤油味、柚子味などですが、
小さなラスクが1枚で価格は100円前後。
知人は「変な味でしかも高すぎ。
もともとラスクは、パン屋が売れ残ったものを再利用というか
加工して造ったもののはず。
100円でわざわざ、そして和風味でだすものなのか。」
という厳しい指摘でありました。
まったく辻口氏の威光が通用しない普通の人にとっては、
何の変哲もないというか、へんな味だけの「ラスク」。
100円では利益の上げすぎだと、かなり怒っておりました。

実際、辻口さんは最近何かに憑かれたように
商業主義、営利第一主義を前面に、多店舗、多角経営に
まい進しています。
デパ地下販売、お取り寄せまで進出しているとネットで知りました。
スクールやブライダル関連まで食指を伸ばしているようですが、
それほど稼ぎ急ぐ理由は何なのでしょうか。
「大奥」というドラマとのタイアップなのか、
「ラスク大奥」なるものも682円で販売しています。
彼の経歴(あくまで本人によりますが)では、
修業時代の志、実家の再興、などの純粋な気持ちは
どこへ置き忘れてしまったのでしょうか。
なぜに、これほど急ぎ足をするのだろうか。
もっと足元を踏み固める時期ではないかと思うのですが、
以前にも書きましたが、稼げるときに稼ぎきる、
自分の賞味期限の限界を悟っての蛮行としか思えません。

「辻口」というマスコミに造り上げられたブランドを考えず、
ブラインドで
彼のロールケーキ、ショコラ、ラスクを食してみてください。
決して、騒がれているほどのものではないということが
誰でもわかると私は思います。


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2005年12月24日(土)

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