| 第803回この料理で納得できるか、ガニエールフェア 2
 料理は前菜から主菜までが7皿、その後デセールも7皿続くという多皿コース。
 そして私は、そのコースの初っ端から驚きました。
 前菜と称するものは、
 チョコで造った小さなケースに
 赤ピーマンのグリルを入れ山葵を使ったソースをかけたものです。
 見た目はデザートで、食べても甘さが口に残り食欲が減退します。
 勿論、食前酒に合うとは思えません。
 食前になぜチョコなのか、
 しかも、山葵の使用は何を意味するのか。
 そして、ドイツ料理であるザワークラフトのようなものに載っているホタテや手長海老には黒米のソースがかかっており、
 フォアグラのロワイヤルはコーヒー風味と、
 まともなフレンチに思えません。
 真鯛にかけたブールブランソースはバターと柑橘類の余韻が強すぎ、
 鴨肉にはパイナップルのチャツネとスパイスで
 これまた甘くてしつこ過ぎ。
 いつかはおいしい料理が出てくるだろうと思っていたのですが、
 7皿全部駄目。
 量の割に胃にもたれすぎて辟易し、ワインもすすみませんでした。
 連れもワインは飲めるほうでしたから、
 よほどワインと相性がわるい料理だったと言えるでしょう。
 当然デセールも、7皿とも食べきれませんでした。
 食材に若干の変更はあったものの、パリ店と同じ料理を出したようですが、
 各国の料理法や調味料を滅多やたらに使用しただけの、
 奇を衒った「無国籍創作ダイニング料理」と断定します。
 <結論>3つ星を維持するために、
 ミシュランの審査員の目をごまかすには、
 奇を衒った創作ダイニング料理しか手がないのだろうか。
 そのうち、3つ星レストランでは、
 フナスシやラーメンまで出すのではないでしょうか。
 このような料理を修正せず、原宿にそのまま上陸させて、
 東京のまともな客が喜ぶとは思えません。
 マスヒロさん、犬養さん、小山薫堂さんなど
 味のわからない放送作家や業界人、
 そしてブランドと能書きに弱い来栖王様は
 お褒めの言葉を発するかもしれませんが、
 私は早晩、
 舞浜の「スプーン」の二の舞になる可能性があると考えます。
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