自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第779回
ワインの諸々 75
フランスでワインが飲まれなくなった!

読売新聞だったと記憶しているのですが、
フランス人の「ワイン離れ」が止まらないとのこと。
5年間で愛飲家が100万人減少してしまったそうです。
2005年のワイン消費者は3200万人。
結構な数だと思うのですが、
フランスのワイン生産者には深刻な問題のようです。
大手でない中小の造り手は、営業に力を入れざるを得なくなり、
畑に居る時間より走り回っている時間の方が多い、
といった笑えない冗談も聞きました。
フランスは15歳から飲酒が認められているそうですが、
ヘルシー志向によるアルコール離れなのか、
15歳以上の38%がワインを飲まないと回答しているのには
驚きました。
フランスでワインを飲まずして何を飲んでいるのか。
日本酒や紹興酒であるわけがなく、
ヘルシー志向なら蒸留酒のはずもありません。
アルコールはビール以外飲まなくなっているのかもしれません。

一人当たりの年間消費量も、
1965年の160リットルから40年間で67リットルと半分以下、
毎日飲む人は21%しかおらず、35歳以下では皆無に近いとか。
昔は約半数の人が毎日ワインを飲んでいたといいますから、
大変な現象と言えるでしょう。

私もほとんど毎日飲んでいる
(和食のときはほとんど飲みませんが)ので、
年寄りなんだなーと実感した次第ですが、
こうなるとワイン生産者はどこへワインを売ろうとするのか。
大市場であるアメリカなんでしょうね。
フランスのワインメーカーが
アメリカの方ばっかり見るようになりますと、
あのパーカーがますます増長してくることでしょう。
フランス産のワインが
ますます色濃く、樽香強く、果実味が目立ちすぎる
(バランスが悪い)、早飲みのワインになってしまうようで、
ワインに関しては旧主派の友里は残念です。


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2005年10月9日(日)

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