自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第753回
価格通りの食後感で特徴がない、かんだ 1

青柳グループのバサラの料理長を勤めていた神田氏が独立した店。
フランス語が堪能ということで、
順調ならば青柳のパリ店を任されていたと言われていますが、
肝心の青柳本体が腰砕けでパリ進出が捗らず、
独立してしまったようです。
場所は非常に足の便が悪い元麻布。
麻布十番駅や六本木駅から徒歩ならば15分以上はかかるでしょう。
テレ朝通りの麻布税務署近く、
ローソンの角を下っていった小さなマンションの1階で、
地下にはイタリアン「プリムラ」があります。
狭い空間に無理して造ったからか、
入り口を開けると直ぐ直角に狭い廊下を左へ進み、
トイレの脇を通ってやっと個室と8席のカウンターが見えてきます。

内装は厨房内も含めて極めてシンプル。
隠れ家的な立地なのですが、
中はかなり明るい照明で清潔感があります。
スタッフは主人の神田氏を除いて全員女性。
確か不振で閉店した六本木ヒルズのバサラも
女性だけで運営していましたから、
これが最近の青柳系統の方針なのでしょうか。
客層も業界系のオジサンなど男性接待族が多いようで、
その嗜好に合わせたとも考えられます。

料理は10,500円のコースが基本です。
肉を食べたい、量を増やしたいなどの要望を出しますと、
1万5千円くらいで対応すると電話口の女性は言っておりました。
料理は基本的に奥の厨房で完成させていて、
カウンター内の主人は直接タッチしていません。
造りなどの盛り付けをするだけです。
どちらかというと青柳というよりバサラ系の軽い創作和食。
あまり高級感を感じないのは設定価格が1万円前後と
和食としては中ランクの価格帯だからでしょうか。

<明日につづく>


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2005年9月13日(火)

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