| 第668回話し出したら止まらない、エム ディー ピュー 1
 
 有名レストランで長年働いていた人が、ここ数年銀座に独立して店を出してきています。
 レカンの十時氏、
 料理人ではありませんが
 アピシウスのソムリエだった仲田氏などですが、
 この店のシェフ、室井氏は長くホテル西洋銀座のイタリアン、
 「アトーレ」でシェフをやっていました。
 ホテルのレストランやグランメゾンが持て囃された頃は、
 かなり注目されたシェフでしたが、
 時代は変わって本当かどうかは別にして
 「オーナーシェフ」全盛の今、
 最後の賭けに出てきたのか
 まったく違ったコンセプトの店を出してきたのです。
 銀座といってもはずれの1丁目、東京フォーラムの近くといった方がわかりやすいでしょう。
 カウンター4席ほど、テーブルが13卓の
 キャパ25名強のイタリアンであります。
 明るめな照明や内装で、カジュアルな店を目指したのでしょうか。
 その割に開店当初は、
 「アトーレ」の常連だったのではと推測される
 中高年の男女客が昼夜詰め掛けていました。
 最近はかなり年齢層が若くなっているようですが、
 反面集客力も落ちてきているようにも感じます。
 今年の「三越イタリアンフェア」で出店をしていましたが、
 私は集客にはマイナスだったと考えます。
 宣伝効果が一番の出店意義だと思うのですが、
 シェフは顔見世せず、土日を除いて入店客はまばら。
 「ベットラ&ヒロ」の盛況さと比較され、
 イメージをかなり落としたことでしょう。
 また、出店での料理の完成度も良くなかった。
 私の知人は、本店を未経験でしたが、
 この出店の料理を食べただけで、
 その後いくら薦めても本店へ行こうとしません。
 フェアへの出店は宣伝なのですから、
 極端な話、本店より質を上げなければ効果は得られないでしょう。
 本店のランチは3種類。基本の1700円ランチは、ワンプレート式で
 前菜とパスタが3〜4種の中からチョイスできます。
 それに本日の1品とドルチェが加わって2500円。
 最高値の3500円は普通のお任せコースとなっております。
 私はワンプレート式が嫌いです。
 弁当のようですし、
 前菜を食べているとパスタがのびて冷めてしまうからです。
 店側の都合で生まれたのでしょうが、
 何故にこの形式が最近流行りなのか、私は疑問です。
 <明日に続く> |