| 第661回安いコースの方がお勧めか、龍吟 2
 
 料理はおなじ弟子仲間の「小十」より創作色が強いもの。自慢の明石の鯛にはかなり隠し包丁をいれてあり、
 大間の鮪もギザギザに切ってあります。
 醤油を絡みやすくするようですが、肝心の鯛が水っぽく、
 鮪は香りと旨みがなかったのが残念。
 技に凝る前に質に凝っていただきたかった。
 付き出しに出た静岡の蛤も質感を感じませんでした。
 初っ端から期待はずれが続きましたが、
 鱧の骨からとった松茸のお椀でやや持ち直し、
 サエズリと青菜のお椀は滋味深いもので納得。
 偶然あった天然鰻のタレ焼きは
 青柳グループ独特の鮎の棒焼きに通じる、鰻自身の脂で、
 から揚げしたような焼き上がりでした。
 勿論直焼きで皮はパリパリ、香ばしいものでしたが、
 鰻自身の旨みはどうだか。
 「小十」の天然鰻に感動した後だったので、
 あまり質の良さを感じませんでした。
 松茸と半生とも思える牛のすき焼きなど10皿あまりでお腹は満腹。
 安い値付けとはいえワインを頼むと2万円コースでは、
 一人3万円を超えてしまいますが、
 「小十」に及ばないまでも、
 近所の「こだま」より量、味、価格を含めて
 食後感はかなり上回りました。
 再訪今回は1万5千円コースに挑戦。
 鯛など造りは質がよく見直しました。
 白子茶碗蒸し、ウニ・ホタテ・ハマグリご飯もよく、
 ワインは9千円以上と安いものがなくなっていたが、
 一人2万数千円。
 高級・レアな食材ではありませんでしたが、
 かえってこの価格帯の方が満足度は高かった。
 <結論>ワインを安くしたのは正解ではないか。
 ちょっとワインを知っていたら、
 思わず頼んでしまい結果支払額が高くなり、
 店側にもプラスとなるでしょう。
 たまたまだったのか、食材の質に?なものがあり、
 2万円コースがやや割高に感じました。
 高額コースを頼む際は、どのような食材が用意できるか、
 きっちり事前にチェックが必要です。
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